コメントにご質問をいただきましたので、頭痛の原因のひとつである食物アレルギー(遅延型)について書いてみたいと思います。

頭痛の原因はさまざまで、稀ですが脳腫瘍のようなものから、脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)、結構多い筋緊張性頭痛、また貧血や鉄欠乏なども原因となります。

そして低血糖症も原因になりうることは以前書きました。

これは低血糖のために脳血管が拡張するからとも、アドレナリンが血管を収縮させるから、とも言われています。

そして案外多い頭痛の原因が、食物アレルギーです。

アレルギーと言うと普通思い浮かぶのは、蕎麦を食べて喘息が出るとか、ピーナッツを食べて呼吸困難になるなどの「即時型アレルギー」です。

これは、特定の食べものを食べた時に劇的な症状が起こるため、患者様が自覚しやすいアレルギーと言えます(そうでない場合もありますが)。

これはIgE抗体というものが関係しています。

しかし、もちろんこれも問題ですが、それよりもずっとずっと頻度が多いのが、IgG抗体による「遅延型アレルギー」なのです(「食物不耐性」ともいいます)。

これは反応が出るのが遅いタイプのアレルギーで、原因となる食物を食べた後、早くて数時間後、遅いと数日後に反応(症状)が起こります。ある程度の期間持続する場合もあります。

また、それほど激烈な症状ではなく、じわりじわりと表れたり、体調によって違ったり、食べる量や密度(濃さ)、食べた期間などによっても違うなど、かなりヴァラエティに富んだ症状の出方をするのです。

その上、たまに食べるものではなく、毎日毎日食べるもの(米や麦などの主食や、大豆やイースト(酵母)など)によっても起こるので、たまに食べて症状が出るなら気がつきそうなものの、毎日当たり前のように食べているとかえってそれが症状の原因であることに気づかない、ということがよくあります。

「ランドルフ博士の新しいアレルギー根絶法」と言う本には、何人かのアレルゲンの除去により改善した頭痛の症例が載っています。

・乳製品を控えることによって頭痛をコントロールできた看護学生
・マスクメロン・とうもろこし・バナナ・魚・ウサギ肉によって頭痛が起きていた男性
・小麦・とうもろこし・豆類・ブルーベリー・ビートなどによって頭痛が起きていたうつ病患者

アレルギーによって頭痛が起きる原因は、アレルギー反応によって脳に水分が貯留し、脳浮腫が起きるからだと説明されています。

現在では、アレルギーによって種々のサイトカインが分泌されることが明らかになり、それが影響していることも指摘されています。

以前結果を載せましたが、私は蕎麦に弱いですがIgGの反応があります。

蕎麦は好きなのですが、前からなんとなく食べたあとに気持ちのよくない感じがありました(一緒に飲む休日の昼ビールのせいかと思っていました(笑))。

先日、老舗の蕎麦屋さんに行って、とても美味しい十割蕎麦をいただいたのですが、それ自体はとても美味しかったのですが、翌日かなり激しい頭痛に見舞われました。

そして過食の傾向になりました(とはいってもそれほど多くはないと思いますが・・・)。
(過食にも遅延型アレルギーは関係しています)

かなり具合が悪く、それは翌々日まで続きました。

普段そこまで強い症状が出たことはないので、相当蕎麦の成分が濃い(普通に考えたら質のよい)蕎麦だったんだろうと思いました。

残念ですが、私の場合、やはり蕎麦は体に合っていないと考えられました。

何度も書きますが、頭痛の原因は人それぞれで、アレルギーはあくまでそのひとつに過ぎないわけですが、体に良かれと思って食べている食物が頭痛の原因だった、ということはありえることです(頭痛に限ったことではありませんが)。

この場合、最も手っ取り早くそれを調べる方法は、血液検査でIgG抗体検査をすることです。

残念ながら日本では調べられないので、私のクリニックではアメリカのラボに送って検査をしています。

もちろんIgEも大事なので、両方調べることが大切です(IgGだけでは片手落ちです)。

遅延型アレルギーで起こりうるその他の症状については、後日書くことにいたします。

こちらもよろしくお願いいたします。

株式会社HYGEIA