更新しなさ過ぎです。はい。

無駄に忙しいのです。もっと建設的に働かなくては。。

さて今日は、現代人と炭水化物の関わりについて、貴重な示唆を含んでいる本を紹介したいと思います。

分子栄養学を行っていると、現代人の食べ物が実はものすごく偏っていることを実感します。

何に偏っているかと言うと、炭水化物が多すぎるのです。

何につけても便利な現代、お金さえ払えば、お腹がすぐにいっぱいになるものが、しかも安い値段で、簡単に手に入ります。

コンビニのサンドイッチやおにぎり、魅惑的なお菓子類など。

それらのほとんどは炭水化物です。

私たち現代人は炭水化物を摂り過ぎなのです。

それによって栄養の代謝がくずれてしまっていることが、現代病の一端を担っていると言えるでしょう。

炭水化物は、糖質です。

食べ物で言うと、ごはん、パン、めん類、イモ類、お菓子、砂糖、などです。

糖質ですから、食べると当然血糖値が上がり、インスリン(血糖値を下げる唯一のホルモン)が分泌されます。

(分泌される速さやレベルなどは、糖質の種類や一緒に食べたものにも影響されます)

炭水化物が多い、すなわちインスリンを分泌しやすい食事をしていると、最初のうちは低血糖の傾向が出てきます。

炭水化物中心の食事、または甘いものや砂糖が多く含まれた食べ物を摂ると、血糖値が急速に上がり、それに反応してインスリンが過剰に分泌されるために、結果的に低血糖に陥るのです。

この低血糖というのが、慢性疲労やうつ病・統合失調症などの精神疾患など、種々の病態の原因のひとつになっているのですが、日本の医療現場ではほとんど問題視されていません。

低血糖についてはまたの機会に書きますが、それらの病態が長く続くと、インスリンの過剰分泌による肥満、高脂血症、血糖調節異常、高血圧などが起こり、いわゆるシンドロームXの状態になります。

これが生活習慣病の土台であることはすでに常識になっていますね。

糖尿病も同じです。

インスリンが過剰に分泌される状態が続くと、すい臓が疲弊してゆくゆくはインスリンが分泌されなくなります。

そうすると血糖値を下げることができなくなり、血糖値が高くなる。

つまり今度は糖尿病に移行していくのです。

血糖値を最も上げるものは何か。

当たり前ですが糖質です。

だったら、糖質を摂らなければ糖尿病患者の血糖コントロールはうまくいくのではないか、ということを実践したのがこの本の内容です。

現代栄養学の糖尿病の食事療法では、カロリーと単位に基づいて食事内容を決めていますが、必ず糖質も入ってきます。

しかし、いくらカロリーを抑えても、糖質を摂っている限り(それがGI値の低い玄米などであろうとも)、血糖値をあげてしまうために、血糖コントロールが難しくなり、インスリンや血糖降下薬などから離脱するのは難しくなります。
しかし、炭水化物(主食)を控えた食事療法、この本で言うところの「糖質制限食」を行うと、血糖のコントロールがかなりの率で良好になると報告されています。

血糖値を上げるものを摂らなければ血糖値が上がらないというのは、考えてみるとごく当たり前だと思うのですが、この考え方もあまり一般的とはいえません。

なぜかと考えると、常識的には「主食は必ず摂るべき」となっているので、その固定概念を取り外すのが実は難しいことなのでしょう。

しかし人類の歴史から見れば、これほど精製した炭水化物を浴びるように(!)摂っている時代はないわけで、インスリンが出まくりでそれによって異常が起きている、と考えるのが自然のように思います。

私自身は実際にそんなに糖尿病の患者さんを診ているわけではないので実例としては挙げられませんが、血糖値のコントロールに困難がある方は、試してみる価値が充分にあると思いますし、おそらく効果があるのではないかと思われます。

で、この本の内容や私個人の考えをまとめた結論としては、糖尿病や種々の生活習慣病の治療や予防のためには、炭水化物を控え、タン白質と野菜(きのこや海草などを含む)を中心とした食事をしたほうが良い、ということです。

正常な人なら極端な糖質制限はしなくてもいいかと思いますが、私はなるべくなら減らしたほうが良いと思います。

糖質を過剰に摂ることでただでさえ足りないビタミンB群を消耗しますし、糖質が多いということはその分タン白質の摂取量が必然的に減少しますから、代謝に負担をかけることになります。

そして実際に糖尿病まで行かなくても低血糖の兆候がある人はとても多いのです。
(血液検査ではHbA1cやグリコアルブミン、HOMA-R、IRI等で判断します。)

体調不良のある方は、まず甘いものや糖質を減らしてみることをお勧めします。

タン白質については「タン白質の重要性」をお読みください。

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