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NEWS & BLOG | 糖質と糖尿病の食事療法

炭水化物の問題~糖尿病の食事療法が示唆すること~

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 記事では、現代人はごはん・パン・めん類・お菓子などの炭水化物をとりすぎていると述べています。
  2. 糖質を控える「糖質制限食」で、糖尿病の血糖コントロールが良くなるという本を紹介しています。
  3. 結論として、炭水化物を控え、たんぱく質と野菜を中心にした食事をすすめています。
  4. 健康な人は極端な糖質制限は不要だが、なるべく減らしたほうがよいという筆者の考えです。

更新しなさ過ぎです。はい。

無駄に忙しいのです。もっと建設的に働かなくては。。

さて今日は、現代人と炭水化物の関わりについて、貴重な示唆を含んでいる本を紹介したいと思います。

分子栄養学を行っていると、現代人の食べ物が実はものすごく偏っていることを実感します。

何に偏っているかと言うと、炭水化物が多すぎるのです。

何につけても便利な現代、お金さえ払えば、お腹がすぐにいっぱいになるものが、しかも安い値段で、簡単に手に入ります。

コンビニのサンドイッチやおにぎり、魅惑的なお菓子類など。

それらのほとんどは炭水化物です。

私たち現代人は炭水化物を摂り過ぎなのです。

それによって栄養の代謝がくずれてしまっていることが、現代病の一端を担っていると言えるでしょう。

炭水化物は、糖質です。

食べ物で言うと、ごはん、パン、めん類、イモ類、お菓子、砂糖、などです。

糖質ですから、食べると当然血糖値が上がり、インスリン(血糖値を下げる唯一のホルモン)が分泌されます。

(分泌される速さやレベルなどは、糖質の種類や一緒に食べたものにも影響されます)

炭水化物が多い、すなわちインスリンを分泌しやすい食事をしていると、最初のうちは低血糖の傾向が出てきます。

炭水化物中心の食事、または甘いものや砂糖が多く含まれた食べ物を摂ると、血糖値が急速に上がり、それに反応してインスリンが過剰に分泌されるために、結果的に低血糖に陥るのです。

この低血糖というのが、慢性疲労やうつ病・統合失調症などの精神疾患など、種々の病態の原因のひとつになっているのですが、日本の医療現場ではほとんど問題視されていません。

低血糖についてはまたの機会に書きますが、それらの病態が長く続くと、インスリンの過剰分泌による肥満、高脂血症、血糖調節異常、高血圧などが起こり、いわゆるシンドロームXの状態になります。

これが生活習慣病の土台であることはすでに常識になっていますね。

糖尿病も同じです。

インスリンが過剰に分泌される状態が続くと、すい臓が疲弊してゆくゆくはインスリンが分泌されなくなります。

そうすると血糖値を下げることができなくなり、血糖値が高くなる。

つまり今度は糖尿病に移行していくのです。

血糖値を最も上げるものは何か。

当たり前ですが糖質です。

だったら、糖質を摂らなければ糖尿病患者の血糖コントロールはうまくいくのではないか、ということを実践したのがこの本の内容です。

現代栄養学の糖尿病の食事療法では、カロリーと単位に基づいて食事内容を決めていますが、必ず糖質も入ってきます。

しかし、いくらカロリーを抑えても、糖質を摂っている限り(それがGI値の低い玄米などであろうとも)、血糖値をあげてしまうために、血糖コントロールが難しくなり、インスリンや血糖降下薬などから離脱するのは難しくなります。
しかし、炭水化物(主食)を控えた食事療法、この本で言うところの「糖質制限食」を行うと、血糖のコントロールがかなりの率で良好になると報告されています。

血糖値を上げるものを摂らなければ血糖値が上がらないというのは、考えてみるとごく当たり前だと思うのですが、この考え方もあまり一般的とはいえません。

なぜかと考えると、常識的には「主食は必ず摂るべき」となっているので、その固定概念を取り外すのが実は難しいことなのでしょう。

しかし人類の歴史から見れば、これほど精製した炭水化物を浴びるように(!)摂っている時代はないわけで、インスリンが出まくりでそれによって異常が起きている、と考えるのが自然のように思います。

私自身は実際にそんなに糖尿病の患者さんを診ているわけではないので実例としては挙げられませんが、血糖値のコントロールに困難がある方は、試してみる価値が充分にあると思いますし、おそらく効果があるのではないかと思われます。

で、この本の内容や私個人の考えをまとめた結論としては、糖尿病や種々の生活習慣病の治療や予防のためには、炭水化物を控え、タン白質と野菜(きのこや海草などを含む)を中心とした食事をしたほうが良い、ということです。

正常な人なら極端な糖質制限はしなくてもいいかと思いますが、私はなるべくなら減らしたほうが良いと思います。

糖質を過剰に摂ることでただでさえ足りないビタミンB群を消耗しますし、糖質が多いということはその分タン白質の摂取量が必然的に減少しますから、代謝に負担をかけることになります。

そして実際に糖尿病まで行かなくても低血糖の兆候がある人はとても多いのです。
(血液検査ではHbA1cやグリコアルブミン、HOMA-R、IRI等で判断します。)

体調不良のある方は、まず甘いものや糖質を減らしてみることをお勧めします。

タン白質については「タン白質の重要性」をお読みください。

数字だけでなく、からだの内側から整えてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

糖尿病について、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2006年の記事に追記

糖質制限食は、半年では糖尿病の寛解を増やすという解析がある一方、1年では効果がはっきりしません。長期では、糖質が少なすぎても多すぎても死亡率が高いという観察研究もあり、極端な制限には慎重な見方があります。

  • 23の試験(1357人)をまとめた解析です。糖質制限食(130g/日未満など)では、半年の時点の寛解(HbA1c 6.5%未満)が57%でした。対照食の31%より多い結果です。12か月では、寛解の効果ははっきりしませんでした。出典:Goldenberg ほか, BMJ 2021/PubMed 33441384・DOI 10.1136/bmj.m4743
  • 米国の成人を25年追跡した研究と、他の研究を合わせた解析です。炭水化物がエネルギーの50〜55%で、死亡が最も少なくなりました。40%未満でも70%超でも、死亡は多くなりました。肉など動物性に置きかえると死亡が増え、植物性では減りました。出典:Seidelmann ほか, Lancet Public Health 2018/PubMed 30122560・DOI 10.1016/S2468-2667(18)30135-X
  • 2型糖尿病の減量食をまとめた総説です。低糖質食は、高糖質・低脂肪食より体重が減るわけではありませんでした(確実性の高い根拠)。寛解は、初めに低エネルギーの置きかえ食を使う方法で最も多く、1年で中央値54%でした。出典:Churuangsuk ほか, Diabetologia 2021/PubMed 34796367・DOI 10.1007/s00125-021-05577-2

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2006 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

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よく聞かれること

糖尿病の人が、自分で糖質制限を始めてもよいですか?
インスリンや一部の飲み薬を使っている方は、低血糖になる危険があります。始める前に、主治医にご相談ください。当院の分子栄養療法は、主治医の治療と並行して行うものです。
炭水化物は、どのくらい減らせばよいですか?
長期の観察研究では、極端に少ない食事も多い食事も死亡率が高い傾向でした。精製した糖質を減らし、野菜や豆、全粒穀物を選ぶなど、質を見直す方法があります。
HOMA-Rとは何ですか?
空腹時の血糖値とインスリン値から計算する、インスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)の目安です。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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