PMSの続きです。

(間があいているため、重複する部分があります。すみません。)

つまるところ、PMSというのは、「ホメオスターシスの乱れ」の表現の一つ、と考えるのが妥当である。

そもそも、ホメオスターシスが乱れることによって、様々な症状が起きてくる。

疲れやすい、冷え性、うつ、イライラ、むくむ、発汗、動悸など、多様な症状が起こりうるが、これは例えばエネルギー産生、体温維持や精神活動、体水分の配分などの分野で、恒常性を保つという基本的な人体の働きに障害が生じることにより、起きてくる症状である。

例えば、PMSのよくある症状であるむくみや頭痛なども、ホメオスターシスの乱れにより、本来は起こらないかある一定の範囲内に抑えられるべき症状が、ホルモンの影響下である度合いを逸脱して起こってくる、という病態だと言える。

つまりPMSとは、ホメオスターシスの乱れにより、月経のある女性であれば定期的に起こる女性ホルモンの変動というストレスに、身体が適応できなくなっている状態、と言える。

PMSの症状が強い女性は更年期障害も起こしやすく、産後うつ症も起こしやすいという決まった傾向がある。

どれも患者の体内環境の乱れを現すもので、まったく別の病態ではないのである。

違う木に見えても、もとを辿っていけば、同じ根っこにつながっているのだ。

そして悲しいかな、それらの原因を追究しようとしても、器質的な異常が起きているわけではないので、西洋医学的な検査をしても原因が明確になることは少なく、その尻尾をつかまえることはできない。

結果、現代西洋医学的には、対症療法をするしかない、という図式になるのである。

問題は、対症療法では運が良ければ症状を抑えることはできても、病態の根本的な解決にはならない、ということである。

これらのホメオスターシスを乱す原因を解決しない限り、まるでしつこい悪友のように、多岐に渡る症状と長々とつきあわなければならない羽目になるのだ。

当たり前のことだが、これらの病態改善のために必要なのは、ホメオスターシスの乱れを引き起こす根本的な原因を追求することである。

そのホメオスターシスを乱す最大の原因であるのが、前回に書いたが、栄養欠乏である。

現代人の多くは程度の差こそあれ、栄養欠乏状態にある。

PMSに特に関係が深いと考えられるのは、鉄欠乏症、カルシウムとマグネシウムの不足、そしてビタミンB群の不足である。

また、精製された糖質、例えばお菓子、砂糖やぶどう糖果糖液糖などの入った甘い飲み物、白米や白パンなどの過剰摂取も、低血糖状態を招き、PMSの症状をひどくする。

(*精製された糖質は、一時的に血糖値を上げるものの、インスリンの過剰分泌を招き、結果的に低血糖状態を引き起こす。)

個々の栄養欠乏についてはページを改めて書いていきたいと思うが、他にも、ストレスや、不規則な生活習慣、睡眠不足、カフェインの影響など、さまざまな条件が加わり、その人なりのPMSの病態が形成されてゆくのだ。

つづく。

株式会社HYGEIA