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NEWS & BLOG | PMSとは何か(5)

PMSとは何か⑤

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 筆者は、PMSを「女性ホルモンの変動というストレスに、体が適応できなくなった状態」としています。
  2. PMSが強い女性は更年期障害や産後うつも起こしやすく、根は同じだと筆者は書いています。
  3. PMSに特に関係が深い栄養として、鉄、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB群を挙げています。
  4. 砂糖や精製した糖質のとりすぎは、低血糖を招いてPMSを悪くする、というのが筆者の主張です。

PMSの続きです。

(間があいているため、重複する部分があります。すみません。)

つまるところ、PMSというのは、「ホメオスターシスの乱れ」の表現の一つ、と考えるのが妥当である。

そもそも、ホメオスターシスが乱れることによって、様々な症状が起きてくる。

疲れやすい、冷え性、うつ、イライラ、むくむ、発汗、動悸など、多様な症状が起こりうるが、これは例えばエネルギー産生、体温維持や精神活動、体水分の配分などの分野で、恒常性を保つという基本的な人体の働きに障害が生じることにより、起きてくる症状である。

例えば、PMSのよくある症状であるむくみや頭痛なども、ホメオスターシスの乱れにより、本来は起こらないかある一定の範囲内に抑えられるべき症状が、ホルモンの影響下である度合いを逸脱して起こってくる、という病態だと言える。

つまりPMSとは、ホメオスターシスの乱れにより、月経のある女性であれば定期的に起こる女性ホルモンの変動というストレスに、身体が適応できなくなっている状態、と言える。

PMSの症状が強い女性は更年期障害も起こしやすく、産後うつ症も起こしやすいという決まった傾向がある。

どれも患者の体内環境の乱れを現すもので、まったく別の病態ではないのである。

違う木に見えても、もとを辿っていけば、同じ根っこにつながっているのだ。

そして悲しいかな、それらの原因を追究しようとしても、器質的な異常が起きているわけではないので、西洋医学的な検査をしても原因が明確になることは少なく、その尻尾をつかまえることはできない。

結果、現代西洋医学的には、対症療法をするしかない、という図式になるのである。

問題は、対症療法では運が良ければ症状を抑えることはできても、病態の根本的な解決にはならない、ということである。

これらのホメオスターシスを乱す原因を解決しない限り、まるでしつこい悪友のように、多岐に渡る症状と長々とつきあわなければならない羽目になるのだ。

当たり前のことだが、これらの病態改善のために必要なのは、ホメオスターシスの乱れを引き起こす根本的な原因を追求することである。

現代人の多くは程度の差こそあれ、栄養欠乏状態にある。

PMSに特に関係が深いと考えられるのは、鉄欠乏症、カルシウムとマグネシウムの不足、そしてビタミンB群の不足である。

また、精製された糖質、例えばお菓子、砂糖やぶどう糖果糖液糖などの入った甘い飲み物、白米や白パンなどの過剰摂取も、低血糖状態を招き、PMSの症状をひどくする。

(*精製された糖質は、一時的に血糖値を上げるものの、インスリンの過剰分泌を招き、結果的に低血糖状態を引き起こす。)

個々の栄養欠乏についてはページを改めて書いていきたいと思うが、他にも、ストレスや、不規則な生活習慣、睡眠不足、カフェインの影響など、さまざまな条件が加わり、その人なりのPMSの病態が形成されてゆくのだ。

つづく。

毎月のつらさ、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

PMS(月経前症候群)について、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2006年の記事に追記

PMSがある女性は、産後うつになりやすいことが研究で示されています。栄養では、食事からのビタミンB群や、ビタミンB6・カルシウム・亜鉛の補充に効果の報告があります。

  • 19件の研究をまとめると、妊娠前にPMSがあった女性は、産後うつのオッズ比が2.20でした。ただし研究の質は低いとされています。出典:Cao ほか, J Psychiatr Res 2019/PubMed 31783236・DOI 10.1016/j.jpsychires.2019.11.010
  • 食事からのリボフラビン(ビタミンB群の一つ)が最も多い群は、PMSになるリスクが35%低い結果でした。サプリメントのB群とは関連がありませんでした。出典:Chocano-Bedoya ほか, Am J Clin Nutr 2011/PubMed 21346091・DOI 10.3945/ajcn.110.009530
  • 31件のランダム化試験の総説で、ビタミンB6・カルシウム・亜鉛は心の症状を一貫して改善しました。マグネシウムやビタミンDは根拠が不十分でした。出典:Robinson ほか, Nutr Rev 2025/PubMed 38684926・DOI 10.1093/nutrit/nuae043

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2006 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

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よく聞かれること

PMSがあると産後うつになりやすいのですか?
関連を示す研究はあります。ただ、全員がなるわけではありません。気になる方は、妊娠中から主治医に伝えておくと安心です。
甘いものを控えるとPMSは軽くなりますか?
糖質とPMSの関係は、まだはっきりしていません。食事の偏りを直すことは、体調全体を整える助けになります。
どの栄養素がPMSに関係しますか?
試験では、ビタミンB6、カルシウム、亜鉛で改善の報告があります。当院では、血液検査で不足を確かめてから補います。PMS(月経前症候群)・PMDDの栄養療法外来
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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