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NEWS & BLOG | 低血糖症の連載(2)

低血糖症の恐怖 2 ~ゼッコーチョー?~

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 記事では、精製した糖分をとり続けると、甘いものへの強い欲求に支配されると説明しています。
  2. 低血糖症を、血糖値を一定の範囲に保つしくみがうまく働かなくなる状態だと定義しています。
  3. 記事では、機能性低血糖症は糖分不足ではなく、単純な糖質のとりすぎで起きると説明しています。
  4. 白米や精製小麦粉の白パンなど、甘くない食品でも同じことが起こりうると書いています。

「お砂糖で、脳もカラダもゼッコーチョー!
将来の環境も、ゼッコーチョー!
お菓子を食べて、さらにゼッコーチョー!」

と言う、某団体の宣伝を、最近よく電車の中吊り広告などで目にします。

砂糖を食べてなぜ「将来の環境がゼッコーチョー!」になるのか理解できませんが、

「脳がゼッコーチョー!」になる理由は明らかです。
しかしその「ゼッコーチョー!」はあくまでも一時的なものであり、実はその後

「ゼツフチョー!」になるのは必至なのです。

「疲れたから甘いものを食べよう」

「どうしても甘いものが食べたい」

「甘いものを食べずにはいられない」

砂糖などの精製した糖分を摂り続けると、このような甘いものに対する強烈な欲求に支配されるようになってきます。
これらは言わば「糖分の中毒」とでも言える状態であり、低血糖症で起こる症状なのです。

低血糖症とは、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。
その結果、前回書いたような様々な精神症状や自律神経失調症状が起こります。

血糖値が高い状態とはすなわち糖尿病であり、糖尿病が怖い病気だと言うことはよく知られているので、血糖値が高いのはよくない、というのは皆さんご存知なのですが、実は低血糖も体にとっては非常に良くない状態なのです。

では何故、血糖値が下がってしまうのでしょうか?

よくあるのは、血糖値が低いのは、糖分が足りないからじゃないの?と言う捉え方です。

もちろん、飢餓状態や胃腸障害などで、長期間食べられない期間が続くと、血糖値は低下します。

しかし、現代人を広く蝕んでいる機能性低血糖症は、実はその逆の理由で起きているのです。

つまり、砂糖やブドウ糖果糖液糖などの単純な糖質の入ったお菓子や清涼飲料水などの食べ物の摂取によって、低血糖状態が起きてしまうのです。

実は、白米や精製小麦粉を使った白パンなど、「甘くない」食品でもこれは起こりえます。

低血糖症は一般的な医師にはほとんど知られておらず、非常に理解されにくい分野です。
なぜかと言うと「低血糖=糖分が足りない」という単純な解釈からは発想しにくい、非常に逆説的な成因で起こっているからです。

次回に続きます。

食後の眠気やイライラ、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

低血糖症について、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2006年の記事に追記

2026年時点では、糖分で気分がよくなる効果も、人での「砂糖依存」も、はっきりした根拠はありません。低血糖の診断は、症状と血糖値の両方で確かめるのが国際的な標準です。

  • 31件の研究(1259人)をまとめた解析では、糖質をとっても気分がよくなる効果は、どの時点でも見られませんでした。むしろ摂取後まもなくは、偽薬より疲労感が強く、覚醒度が低くなりました。出典:Mantantzis ほか, Neurosci Biobehav Rev 2019/PubMed 30951762・DOI 10.1016/j.neubiorev.2019.03.016
  • 砂糖依存についての総説は、人で砂糖依存を支持する根拠は乏しいと結論しました。動物でのむちゃ食いに似た行動は、砂糖を断続的に与えた条件でのみ見られました。出典:Westwater ほか, Eur J Nutr 2016/PubMed 27372453・DOI 10.1007/s00394-016-1229-6
  • 米国内分泌学会の指針は、低血糖を評価する人を絞るよう勧めています。条件は、症状があり、血糖値が低く、血糖値を上げると症状が消えることです。出典:Cryer ほか, J Clin Endocrinol Metab 2008/PubMed 19088155・DOI 10.1210/jc.2008-1410

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2006 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

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よく聞かれること

甘いものがやめられないのは、意志が弱いからですか?
意志だけの問題とは限りません。食事の内容や食べる間隔、睡眠なども食欲に影響します。当院では血液検査で栄養状態を確かめ、食事の整え方を一緒に考えます(低血糖症の栄養療法外来)。
低血糖症かどうかは、どうやって調べますか?
症状が出たときの血糖値を測り、糖をとって症状が消えるかを確かめるのが一般的な方法です。持病や薬の影響がないかも、まず医師が確認します。
白米やパンも控えたほうがよいですか?
量と組み合わせで、血糖値の上がり方は変わります。たんぱく質や野菜と一緒にとる、精製度の低い穀物を選ぶなどの工夫があります。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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