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NEWS & BLOG | タン白質不足と血液濃縮

血液ドロドロ!?

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 筆者は、だるさや冷え、むくみを訴える患者さまに、血液が濃い「血液濃縮」が多いと見ていました。
  2. データでは総蛋白や赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット、尿比重の上昇が見られたと書いています。
  3. 筆者はその原因を、タン白質(アルブミン)不足で血液中の水分が保てないためだと説明していました。
  4. 対策として動物性タン白質をしっかりとり、中性脂肪が高い場合は糖分を控えるようすすめています。

私のクリニックには多種多様な「具合が悪い」患者様がいらっしゃいます。

普通の病院へ行って検査を受けても「異常ナシ」と言われ、大抵は対症療法の薬などを処方されますが、効果がないことが多く、何軒も病院のハシゴをして「病院ジプシー」になってしまっている方も多いです。

そういった方の血液データを拝見すると栄養欠乏はほぼ必発であり、お困りの症状の多くが栄養欠乏の症状に当てはまることを説明すると、多くの方が驚かれます。
(このデータから栄養欠乏を読み取るという方法が、分子整合栄養医学独特のものなのです)

そして栄養療法を行い、栄養欠乏が改善していくと、かなりの方が改善されます(効果には個人差がありますが)。

それほど、栄養状態と健康状態は関連が深いものなのですが、一般的に認識されていないのが現状です。

さて、そのような栄養欠乏にはいくつかのパターンがありますが、最近立て続けにみられたのが、「かなりの血液濃縮」がある、というパターンです。

・精神症状(情緒不安定、イライラ、うつ、やる気が起きない、人と付き合うのが面倒、etc)
・だるい
・朝起きられない
・異常に疲れる
・冷え性
・むくみ
・etc…

これらのような症状があり、とにかく何をするにもおっくう、と言った感じの患者様が多いのですが、このような患者様の中には、採血をさせていただくと採血用の真空管に血液が入っていく速度が異様に遅いことがあり、「ん?」と思うことがあります。

医学的な言い方ではないのですが、いかにも

「血液ドロドロ!」

という感じなのです。

で、後で楽しみに(失礼!)血液データを見てみると、総蛋白の上昇(基準値を超えた)、赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットの上昇、尿比重の上昇などが見られ、「ものすごく血液が濃い!」ことがわかるのです。

極端にこのような異常値がみられれば、血液濃縮があることは医師であればわかると思いますが、患者さんは別に脱水状態になるような嘔吐や下痢などを起こしているわけでもなく、水分も普通に摂っていて、血液濃縮になる理由がないため、原因がわからない、ということになりますし、体調が悪い理由と血液濃縮を結びつけて考えることもおそらくないと思われますので、対処の方法がないことになります。

実は、このような状態になる理由は、タン白質の摂取量が非常に不足していることによるのです。

以前の記事にもありますが、タン白質(特にアルブミン)は血液の濃さを調節しています。
アルブミンは血液中に水を保持するスポンジの役割をしているので、血液中にアルブミンが充分あれば血液中の水分量が多く保てるため、血液は理想的な濃度(濃すぎず、薄すぎず)を保つことができます。

しかし、タン白質不足(摂取不足や需要亢進によるタン白質の消費)などにより、アルブミンが減少すると、血液中の水分量が減少するため、血液が濃くなるのです。

血液が濃くなると言うことは、それだけでも血行不良の原因となり、酸素や栄養素が末端の細胞まで届きにくくなるため、色々な症状が起こりますし、循環血漿量が減少しているため低血圧や易疲労、冷え性、むくみなどの原因となります。

これを改善するためには、まずタン白質を摂取すべし、ということになるのですが、タン白質の多い食材というともちろん、肉・魚・卵・乳製品・大豆製品です。

中でも、私達ヒトがもっとも効率よくタン白質を利用できるのは、動物性タン白質です。

一般的には血液ドロドロというと、お肉や卵は控えよう!!となるのが普通ですが、その逆で、むしろ積極的に食べたほうが良い…という話になるのです。

もちろん血液ドロドロにも色々なドロドロがあって(笑)、この場合はタン白質不足によるドロドロですが、中性脂肪などが高い場合のドロドロもあります(いわゆるメタボです!)。

この場合も、動物性タン白質を控えるのではなく(脂肪分は摂り過ぎないほうが良いですが)、むしろ体内で最も脂肪に変わる物質、すなわち

糖分(炭水化物)を控えなさい!!

ということになります。

ちなみにデータが基準値内で一見全く問題なく見える場合でも、タン白質不足がある場合には血液濃縮はほとんどあると言えます。

いわゆる「常識」とされている健康情報には多くの点で誤りがある…、ということがお分かりいただけることと思います。

続く疲れ、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

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最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2007年の記事に追記

血清アルブミンは、栄養状態よりも体の炎症を表す値とされています。たんぱく質は量に加え、植物性の食品からもとる食事が長生きと関連していました。

  • 米国静脈経腸栄養学会は、アルブミンやプレアルブミンは栄養状態ではなく炎症を表す値だとしました。栄養の指標として使うべきではないとしています。出典:Evans ほか, Nutr Clin Pract 2021/PubMed 33125793・DOI 10.1002/ncp.10588
  • 31件の前向き研究をまとめると、たんぱく質の摂取が多い人ほど死亡リスクが低めでした。植物性たんぱく質のエネルギーが3%増えるごとに、死亡リスクは5%低くなりました。出典:Naghshi ほか, BMJ 2020/PubMed 32699048・DOI 10.1136/bmj.m2412
  • 2型糖尿病の試験(1391人)をまとめると、糖質を控える食事は脂質を控える食事より、短期から中期に中性脂肪を下げました。出典:Apekey ほか, Nutrients 2022/PubMed 36297075・DOI 10.3390/nu14204391

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2007 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2007年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

あわせて読みたい

よく聞かれること

「血液ドロドロ」は検査でわかりますか?
「ドロドロ」は医学の用語ではありません。血液の濃さは、ヘマトクリットや総蛋白、尿比重などで判断します。脱水や病気が隠れていないかを医師が確かめます。
アルブミンが低いのはタン白質不足のせいですか?
食事の不足だけでなく、炎症や病気でも下がります。今の栄養学では、アルブミンだけで栄養状態を判断しないとされています。
肉や卵は控えたほうがよいですか?
たんぱく質を十分にとることは基本です。研究では、大豆や豆類など植物性のたんぱく質も組み合わせた食事が、死亡リスクの低さと関連していました。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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