不妊治療と云えば、まずは月経周期に合わせてタイミング法に始まり→人工授精→体外受精へとステップアップしていくのは、みなさんご存知ですね。
最近では女性の社会進出による女性の晩婚化で、35歳以上で妊娠を希望する女性が多く、ステップアップを省いて体外受精など高度生殖医療を早々にはじめるケースも少なくありません。
体外受精とは、その言葉のとおり、体の外で卵子と精子を物理的に近づけ受精を助け、人工的な環境下で2~5日間成長した「胚(=受精卵)」を子宮に戻して、妊娠を期待する治療法です。
ですから卵管が機能していない(卵管閉塞など)、また精子に異常があるなど、「受精」が自然では難しい場合では、体外受精による治療が不可欠なのは言うまでもありません。
しかし妊娠に至るには排卵→受精→分割→着床といった4つのステップの全てが不可欠であり、体外受精はその「受精」の部分のみを手助けする治療です。
たとえ体外受精をおこなっても、そもそも卵子と精子に生命力がなければ、受精卵の成長は止まり妊娠には至りません。
体外受精が、卵子の質の改善や受精卵の成長そのものを助けてくれる治療ではないのです。
まるで体外受精さえすれば老化卵子が若返り、卵巣機能が改善し、どんなに高齢でも妊娠できるといったイメージがあるようですが、それは大きな誤解です。