03-6452-6611 受付 水曜〜土曜 10:00〜17:00 完全予約制 休診日 日・月・火・祝

NEWS & BLOG | エッセイ(ストレス学説)

ストレス学説と東洋医学

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 筆者は、現代医学は「木を見て森を見ず」の傾向、東洋医学は「森を見る」医学という対比を紹介しています。
  2. ストレス学説を提唱したセリエ博士の本『生命とストレス』に、筆者は深く感銘を受けていました。
  3. その本の序文で、ビタミンCの発見者セント=ジェルジ博士は、生命は全体として見るべきだと説いています。
  4. 筆者は、真理を追究するのに洋の東西は問わないと感じたと述べ、本文の続きは次回としていました。

だいぶ前になりますが、故・増永静人先生の「経絡と指圧」という、私が非常に感銘を受けた東洋医学の論説について書いたことがあります。

東洋医学とは何か、西洋医学と何が違うのか、”使う薬が違う”とかいうレベルの話ではなくて、医学全体の概念や人体というものに対する立ち位置などについての根本的な違いについて、深い洞察のもとに書いてある、とても素晴らしい本なのです。

現代医学と東洋医学の違いについてよく言われることは、

現代医学が「木を見て森を見ず」という(傾向のある)医学であるという捉え方に対して、

東洋医学は「森を見る」医学であるという捉え方です。

確かに、学会の発表などを聞きに行くと、「一体これが臨床の何に役に立つの…?」と聞きたくなるほど、「枝葉末節」としか思えないような(ごめんなさい)研究結果を目にすることがあります。

そのような細かい研究が積み重なって医学の進歩があるのでしょうけれど、人間の体を切り刻んで、極限まで拡大して、細かく細かく見ていったとしても、そこに生命の何たるかは見つかりません。

ミクロの目は当然必要なのですが、総体としての人間は近視眼的な視線をもって観るのみでは明らかになりません。

東洋医学は、顕微鏡だのウェスタンブロットだのなかった時代から受け継がれてきた医学ですから、そういうミクロの視点はないのですが、人体をさながら”小宇宙”として捉え、全体の調和を図ることで治療をしていこうという医学なのです。

このような捉え方は、東洋医学に特有な考え方かと思っていたのですが、現代西洋医学のしかも一流の素晴らしい研究者の中に、まさにこれと同じようなことをおっしゃっている方がいたので、とても感銘を受けたのです。

生命とストレス―超分子生物学のための事例

セリエ博士はと知、言わずれた「ストレス学説」を提唱した人物です。

この本には、セリエ博士がどのようにしてストレス学説を発見するに至ったのか、常識や既成概念にとらわれず新たな概念や発見をしていくにはどのような立場が必要なのかなど、講義の内容から抜粋された若い研究者へのメッセージが満載されています。

そしてこの本に、ビタミンCの発見者としてノーベル賞を受賞したアルバート・セント=ジェルジ博士が序文を寄せているのです。

深い感動を覚えたので、その一部を抜粋させていただこうと思います。

~(中略)~

分子生物学の成果が賞賛に値しないと言っているのではない。生命の理解に近づくためなら分子、量子、電子についてもあらゆることを知り、また発見しなければならない。しかし、生体は多くのレベルからなり、分子レベルというのは、そのほんの一領域にすぎないことを忘れてはいけない。そして「生命」といわれるものはすべての機能とすべての反応の総体であるということである。もし私が誰かの頭をピストルで打ち抜いてから、ほんのちょっと傷つけただけだ――しばらくは心臓が鼓動し、筋肉もピクピク動いたし、髪も伸びた――と言ったとしても、罪は免れないだろう。なぜなら、生命は全体にかかわっているからである。この全体の統合レベルはもっとも複雑なものである。そしてまたもっとも困難な研究領域である。生命のすべての魅力と奇妙さがあらわれるのはこのレベルである。それに近づくには、機器の指針などを見つめるばかりでなく、肌と肌の触れ合いをしなければならない。さらに言うならば、生きもののシステムを理解するためにはそれを愛さなければならないということである。またさらに深く直感的理解に達するためには、古くからある二つの道具――目と脳――のほかに、あらゆる感覚を動員しなければならないと言いたい。生命をつかむためには詩人のようであらなければならないとあえて言いたいほどである。

~(中略)~

かの有名なアルバート・セント=ジェルジ先生が、まさに増永先生と同じことをおっしゃっているのです!

真理を追究することに洋の東西は問わない、と認識すると同時に、その姿勢に深く納得せざるを得ませんでした。

さすがビタミンCを発見した方だ…!、と単純な私は一気にジェルジ博士の大ファンになってしまったのでありました。

もちろん本文の内容も、大変示唆に富んだものでありました。

続きは次回。

あなたのからだの「足りない」、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

分子栄養療法とはについて、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2007年の記事に追記

セリエ博士のストレス学説は、今は「アロスタティック負荷」という考え方に受け継がれています。長く続くストレスの積み重ねは、心と体の健康の悪化と関連することが示されています。

  • セリエ博士が1936年に示した「一般適応症候群」は、脳と腸のつながりの研究などに受け継がれ、今もストレス研究の土台になっています。出典:Elsenbruch ほか, F1000Res 2017/PubMed 29333253・DOI 10.12688/f1000research.12435.1
  • 267件の研究をまとめた総説で、慢性的なストレスの積み重ね(アロスタティック負荷)は、体と心の健康の悪化と関連していました。出典:Guidi ほか, Psychother Psychosom 2021/PubMed 32799204・DOI 10.1159/000510696

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2007 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2007年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

あわせて読みたい

よく聞かれること

ストレスは体の病気と関係しますか?
長く続くストレスの積み重ねは、体と心の健康の悪化と関連することが研究でわかっています。休養や睡眠、食事を含めた生活全体で整えるのが基本です。
東洋医学と西洋医学はどちらがよいのですか?
どちらかを選ぶものではありません。病気の診断と標準治療を受けたうえで、漢方などを組み合わせるかを医師と相談してください。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

初診のご予約

初診は予約制です。下のフォームで希望の日時をお知らせください。受付時間内にお電話で日時を確定します。
お電話でもご予約いただけます。

初診の予約を申し込む▼24時間受付/受付時間内にお電話で日時を確定します(送信だけでは予約は確定しません)

日時を確定するため、お電話でご連絡します

受診は任意

第1希望(例:10月24日の午後)。第2希望もあればお書きください