月経前症候群とは、最近よく知られるようになって来ましたが、とても多くの方がお悩みになっている病態です。

名前の通り、月経周期の排卵後~月経前(~月経中)に限って、様々な症状が起こり、月経が来ると治ってしまう、というのが特徴です。

当然ですが、女性にしか起こらない病気であり、なかなか周囲の理解を得ることが難しいのも、患者さまにとってストレスになるようです。

今日は、月経前症候群でお悩みの20代後半の患者様についてです。

来院時の主訴は、生理2週間前頃から起こる、

・気分の落ち込み
・体が重くなる
・引きこもりがちになる
・朝起きられない
・絶望的になる
・ニキビができる
・下腹部がはる

などの症状でした。

PMS/PMDDのチェックリストでは、47点!の高得点(?)でした。

血液検査のデータでは、

・タン白質不足
・鉄欠乏
・ビタミンB群不足
・低血糖の傾向
・亜鉛不足
・低コレステロール
・胃酸の分泌低下

などの所見が認められました。

食事内容も、糖質に偏った、栄養欠乏を起こしやすい内容のようでした。

この方に、サプリメントの処方と食事指導をさせていただき、3ヶ月栄養療法に取り組んでいただきました。

そして、先日2回目の採血の結果のカウンセリングをさせていただいたところ、月経前症候群の症状はほとんどなくなっていらっしゃり、初診時には47点だったチェックリストが、なんと0点!になっていました。

栄養状態も大変素晴らしく改善していらっしゃいました。

しかし、月経周期と関係なく落ち込みやすい感じと、生理痛がまだあること、血液データからもまだ不足があることから、継続して栄養療法を行っていただくことになりました。

食事の改善も大変素晴らしく、食事の内容を写真にとってアルバム風にまとめたものを送ってくださり、努力なさっていることがとてもよく伝わってきました。

個人差はありますが、このように長く苦しんでいらした月経前の症状が、栄養療法を行うと、最初の3ヶ月位で、スカッと♪治ってしまうことは結構多いのです。

月経前症候群の原因は良くわかっていないといわれています。

ホルモンのアンバランスが原因ではないかと言われ、低用量ピルの処方などが良く行われていますが、重症な人ほどピルではかえって具合が悪くなることが多いです。

漢方薬の処方も、体に合っていて症状が取れればそれで良いと思いますが、なかなか改善が難しいものです。

私に言わせれば、月経前症候群は、「栄養失調」と「低血糖症」です。

これらによる体内環境の悪化により、ホルモンの変動というストレスに体がついていけない状態になっているのです。

多くの患者様が、ご自分の体調と栄養の状態を関連付けて考えることをしていただけば、多少なりとも改善される方が多いのではと思います。

月経前症候群についての考察はこちらをお読みくださいませ☆

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