私はとっても変わった医者だ。

現代西洋医学だけでなく、漢方・鍼灸などの東洋医学や、栄養療法なんてものをやっている。

そしてそれを当たり前だと思っている、医者の常識からみたらかなり風変わりな人である。

日本の医者は大体、西洋医学のことしか知らないので、私に言わせればそちらの方がかなりカタブツである(あ~あ、言っちゃった…)。

栄養療法に比べたらまだ東洋医学のほうが市民権を得ているが、東洋医学に対する医師の体温は様々である。

もちろん、自分でハリを打つくらいの東洋医学大好きドクターは私以外にもたまにはいるけど(私の世代では珍しいかな)、理解を示さない人は全く示さない。かなり両極端だ。

漢方薬はエキス剤など一部に保険がきいているからまだ馴染みがあるが、ツボや経絡の話になると、突如として拒否反応を示す場合が多い。

大学病院にいた時、先輩のドクターにツボの話しをしたら、「矢崎はどこへ行っちゃうんだ」という目をされたことがある。

「気」とか「経絡」とか、ありえない話らしい。

まあ医者じゃなくても「ある派」と「ない派」がいるだろうから、当然かもしれないが。

もちろん、私は自然に「ある」と考えている。

そりゃあ「証明しろ」と言われたらできないのだけど、実際に漢方薬やハリやお灸で困った症状が治ってしまうのだから、あると考えなくては説明ができない。

また、実際に存在するのかしないのかと言う議論よりも、その理論を当てはめれば治療に使える、ツールのひとつとして単純に便利だとも思っている。

もちろんEBM(根拠に基づいた治療)という考え方も非常に大切だけど、私自身は患者さんがよくなってくれれば、正直議論の是非などどうでも良い、というところがある。(もともと右脳人間だからか?(^ ^;; (註参照))

そんな人なので、理論的に説明しろと言われると弱いのだけど、見事にその辺りのことを論じている書がある。

著者の故・増永静人先生は、京大哲学科卒の指圧師という、これまた珍しい方である。

つづく。

(註:東洋医学をやっている医師がみんな私みたいなわけではありません。真面目にEBMを追求している方は沢山いらっしゃいます。念のため)

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