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NEWS & BLOG | 産婦人科医のエッセイ

極低出生体重児

 HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 妊娠29週・1,300g の早産に立ち会った産婦人科医の記録です。待機の医師と新生児科の救急搬送で、最善のケアを受けられました。
  2. 産婦人科医と小児科医は減り続け、過酷な勤務がさらに人を減らす悪循環にあります。
  3. 安心して妊娠・出産できるよう、国のレベルでの改善が必要だと書いています。

私の西洋医学的な専門は産婦人科ですが、自分のクリニックでは栄養療法と漢方がメインなので、一般の産婦人科診療は行っていません。

しかし、お手伝いに行っている病院では分娩に立ち会ったり、通常の外来業務を行ったり、なんだかんだ言って周産期医療には関わっています。

まあ根が好きなんでしょう、きっと。

で、先日、久しぶりに早産の分娩に立ち会いました。

妊娠29週(8ヶ月)の妊婦さんで、全く早産の兆候はなかった様なのですが、早朝いきなりお腹が痛くなり、病院に来た頃には子宮口が全開して、膣内に胎包(赤ちゃんを包んでいる羊膜)が出てきている状態でした。

こうなるともう止めようがないので、近所に住んでいる待機のA先生を呼びだし、そしてH市小児病院に新生児搬送を依頼しました。

数日前の妊婦検診での赤ちゃんの推定体重は1200g。

極低出生体重児(1500g未満)で、一般の開業医では小さすぎて診ることができない赤ちゃんです。

早産児(未熟児とは今は言わないのです)・新生児の専門の施設に搬送しなくてはなりません。

新生児科のドクターが乗った救急車が到着するまで、どんなに早くても小一時間はかかります。

案の定、救急車が間に合う前にお産になってしまいました。

でも待機のA先生がすぐに来てくれたので、私が産婦さんの診察や縫合をして、A先生が生まれた赤ちゃんの蘇生をしてくれました。

幸いなことに赤ちゃんはすぐ泣いてくれ、蘇生といっても酸素を流すくらいで済みました。

体重は1300gちょっとありました。

生まれて約20分後に救急車が到着しました。

新生児科の先生が神業のように、挿管(気管に人工呼吸のための管を入れること)して、点滴をしてくれました(ちっちゃい赤ちゃんの挿管や点滴は、とーっても難しいのです!)。

そしてお母さんとお父さんに説明をして、救急車で赤ちゃんを小児病院に連れて行ってくれました。

お母さんは泣いていました。

いきなりこんなことになって、大変なショックを受けてしまったのでしょう。

でも、この赤ちゃんは幸せです。

産科の医者が二人立ち会って、一人が赤ちゃんを手厚くケアしたこと。

そして新生児科の先生が来てくれて、専門の病院にすぐに連れて行ってくれたこと。

もし、産科の医者が一人しかいなかったら、産科医はお母さんと赤ちゃんの両方を診なければなりません。

当然具合の悪いほうを優先に診るわけですが、赤ちゃんにかかりっきりになっているうちにお母さんの出血が多かったりして具合が悪くなることもあります(これは早産でなくても同じですが…)。

また、新生児搬送を依頼したくても、日本全国、未熟児・新生児の入院施設は足りていないので、送りたくとも送れない、というシチュエーションはいくらでも考えられます。

29週、1300gで生まれたことは彼(男の子でした)にとって試練かもしれませんが、この時のシチュエーションでできる限りの最高のケアを受けることができたと考えられるのです。

今、産婦人科と小児科の医師は減少しています。

過酷な労働条件が、医師の産婦人科離れ・小児科離れを起こし、それがさらに条件を過酷にするという、負のスパイラルに陥っているのです。

今回助けを呼んですぐに来てくれたA先生は、かなりのお年です。

いくら待機と言えども、朝5時に叩き起こされ、文句も言わず病院に駆けつけ、分娩や帝王切開に立ち会う。

その働きぶりは、時々後光がさして見えるくらいです。

周産期医療は、こういう先生に支えられているのです。

しかしこのご時世、こんな超3K(きつい・汚い・危険)な職種につく人はそう多くありません。

勤務条件を良くしないと今後の周産期医療のなり手はいないでしょう。

そしてそのつけは結局患者さんに回ります。

安心して女性が妊娠・出産できるよう、国レベルでの改善を望みます。

(そういう私は産科以外で開業してしまったのであまり大きなことは言えないのですが…)

妊活のこと、からだから整えてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

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当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

研究でわかっていること

  • 胎内と生まれてすぐの時期の栄養などの条件が、大人になってからの健康と病気のなりやすさに関わることを、ニューイングランド医学誌の総説がまとめています。(Gluckman ほか, N Engl J Med 2008)

PubMed に収載された論文の抄録から、数字と結論だけを載せています。

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よく聞かれること

不妊治療中でも受診できますか
できます。婦人科の不妊治療と並行して、貯蔵鉄(フェリチン)とたんぱく質・ビタミンの過不足を確かめます。薬の中止や変更は行いません。
妊娠中・授乳中でも受けられますか
受けられる処方と受けられない処方があります。診察のときにお伝えください。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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