低血糖症の続きです。
(初めての方は「低血糖症の恐怖 1からお読みください)

機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。

その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。

多くの場合、「低血糖」は「糖分が足りないために起こる」と考えられがちです。

しかし、機能性低血糖症の場合はそうではなく、砂糖やブドウ糖果糖液糖を含む食べ物や飲み物、白米や白パンなどの「単純な糖質」の過剰摂取によって起こってしまうのです。

何故そんなことが起こるのでしょうか?

その説明をする前に、血糖とは何のためにあるのか、血糖値がふだん私たちの体の中でどのようにコントロールされているのかをみていきましょう。

血糖(血液中のグルコース)は、エネルギー源として人体には必要不可欠な物質です。
人体はグルコース以外にも脂肪酸、アミノ酸、ケトン体などをエネルギー源として使いますが、血液中で最初にエネルギーとして使われるのはグルコースなのです。
特に脳のエネルギー源はグルコースであり(たまにケトン体も使います)、また脳はグルコースを蓄えることができない(40秒間に消費してしまうと言われています)ので、常に安定した血糖値を保っておくことが必要です。

つまり、血糖値というのは人間にとってとても大切であるため、一定の範囲内(80~110mg/dl)にコントロールされるような仕組みを持っているのです。

血糖値の調節には自律神経とホルモンが関係しており、具体的にはたらくのは以下のホルモンです。
血糖値を下げるホルモン:インスリン
血糖値を上げるホルモン:成長ホルモン・甲状腺ホルモン・副腎皮質ホルモン(コルチゾール)・副腎髄質ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)・グルカゴン

血糖値を上げるホルモンは沢山あるのですが、下げるホルモンはインスリンしかない、と言う点に注目してください。

血糖値を一定の範囲内に保つという目的のために、これらのホルモンが私たちの体内では常に適宜分泌され、血糖値の微調整が行われています。

血糖値が下がった時には上げるホルモンが分泌され、上がった時には下げるホルモン(=インスリン)が分泌されます。いわばシーソーのようなイメージです。

続きます。

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