機能性低血糖症(血糖調節異常)の続きです。

(初めての方は「低血糖症の恐怖 1」からお読みください。)

グルコースだのインスリンだの、なんだか良くわからないし、私には関係ないもん!とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし「うつ」や「パニック障害」、「月経前症候群」そして「我慢できない異常な食欲」、その結果起こる「過食嘔吐」など、一見血糖値とは無関係に見える様々な症状が、じつは低血糖症が深く関係しているのです。

そして低血糖症を改善することが、それらの病態を改善するためのキーポイントでそれらの病態を改善するためのキーポイントあると言えます。

そしてここを理解しないと、「間違った食べ方を改善する(甘いものはやめる、タン白質や野菜などをきちんと食べる、等)」ためのモチベーションを保つのが難しくなってしまいます。
改善のためにはとても大事なところなので、しっかり理解していただきたいと思います。

さて、血糖のコントロールに特に重要な役目を担っているのは、膵臓から出るインスリンと言うホルモンです。

インスリンは、血糖値を下げる「たったひとつの」ホルモンです。

インスリンが出ない、または非常に効きが悪いため血糖値を下げる効果が発揮できない場合、血糖値が高くなってしまいます。これが糖尿病です。

低血糖症の場合、この逆で、インスリンが出すぎる、または効きが良すぎるために、血糖値の急激な低下や、低い状態でとどまってしまう、という状態が起きてしまいます。

この、
なんでインスリンが出すぎてしまうのか?
というところが問題の部分です。

砂糖やお菓子や清涼飲料水などの精製された糖分を多く摂ると、糖分がすばやく吸収されるために、血糖値が急速に上昇します。

血糖値が上がりすぎるのは人体にとって良くないので、こんどは当然、血糖値を下げようとする反応が起こります。

つまり、インスリンが分泌されます。

血糖値の上昇速度が速いほど、または値が上がりすぎるほど、それに対応するためにインスリンが過剰に分泌されることになります。

過剰に分泌されたインスリンは血糖値の急降下を引き起こし、一度上がった血糖値は、こんどは逆に下がりすぎてしまうのです。

かくして、低血糖状態が起こります。

簡単に書くと、こうなります。

単純な糖質の摂取

血糖値の急激な上昇

インスリンの過剰分泌

低血糖

この「血糖値が下がるという現象」イコール、低血糖症、というわけではありません。
血糖値が下がること自体は健康な人でも起こりうることです。

しかし、このような状態が頻繁に起こることにより、ホメオスターシスによって厳密に行われるべき血糖のコントロールが、次第に破綻してゆくのです。

続きます。

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