10代の頃のダイエットがきっかけで摂食障害になり、10年以上過食と嘔吐を繰り返してこられた31歳の女性患者様の経過です。

(主訴)

過食と嘔吐(週2~4回)
月経前のイライラ・むくみ・過食が悪化する
だるい
疲れやすい
便秘
冷えのぼせ
頭痛
肩こり

血液データにて

・タン白質不足
・鉄欠乏
・亜鉛欠乏
・ビタミンB不足
・カルシウム不足

などの所見を認めました。

栄養療法を3ヶ月行っていただいたところ、2回目の採血データでは素晴らしい栄養状態の改善が見られました。

そしてそれとともに過食嘔吐はすっかりなくなり、様々な自覚症状も改善を認めました。

2回目のカウンセリング時に、次の変化を記録しました。

2回目のカウンセリング時の記録:
・精神的に安定し、通常の食事を摂取している。
・嘔吐がなくなり体重は多少増加したが、本人は受け入れている。
・味覚が変わり、薄い味付けで満足できる。外食が減り、自炊が増えた。
・PMSの症状は減少。
・皮膚の状態が改善。

患者様の口から出てくる言葉の数々があまりにも素晴らしくて、感動せざるを得ませんでした。

摂食障害、特に過食症の患者様は、自信のなさ、自分を卑下する気持ちが強い方が多く、つらい思いをなさっている方が多いです。

この患者様は治療中、自己啓発関係の本なども読まれ、ご自分の内面を見つめようと努力なさったようです。

そして、過食嘔吐という症状が軽快することともに、ご自分への自信や誇りなどを取り戻していらっしゃるのだと思うのです。これは、栄養療法の成果と言うだけではなく、患者様ご本人の持つ素晴らしさだと思います。

私のクリニックは摂食障害専門というわけではなく、一般的に摂食障害の治療の中心となっている心理療法や行動療法などは一切行っていません。

心理的なアプローチだけでは改善しにくい例が多いことも、それを裏付ける要素の一つであると思います。

その一方で、患者様が強いストレス下に置かれている場合(特に家族間の問題など)や患者様自身の性格的な要因など、心理的要因の関与が大きい場合は、栄養療法だけでは顕著な改善が得られない場合があることも事実です。

その場合は包括的な対処が必要になることは言うまでもありません。

なかなか困難なこともありますが、このように人の素晴らしさ、治ることの喜びに触れさせていただくたびに、やっていてよかった、と思うと同時に、もっと頑張らなくては、と思うのです。