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NEWS & BLOG | 低血糖症の連載(13)

低血糖症の恐怖13 ~低血糖症の診断その1~

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 記事では、低血糖症はうつ・パニック障害・PMS・過食など、多くの症状に関わると述べています。
  2. 糖代謝の血液検査には、血糖値・HbA1c・グリコアルブミン・インスリンなど多くの項目があります。
  3. 記事では、低血糖症の確定診断には、5時間の糖負荷検査が欠かせないと説明しています。
  4. 5時間の検査は、飲まず食わずで9回採血する、保険がきかない自費の検査だと書いています。

低血糖症の続きです。

機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。

その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。
(初めての方は低血糖症の恐怖1よりお読みください)

さて、メタボリックシンドロームに話がそれていきましたが、今日は低血糖症の診断について書きたいと思います。

低血糖症は、「偉大なる物真似師」との異名をとるように、ありとあらゆる症状を引き起こします。

うつ病やパニック障害、統合失調症などの精神疾患や、自律神経失調症、頭痛や冷え性などの不定愁訴的な症状、アレルギー、PMS、過食症など、実に様々な症状や疾患に大きく関わっていると言われています。

そのような診断を受けている患者様の中には(全てではありません)、実際には低血糖症のために症状が起きているのにも関わらず、低血糖症の診断が適切に行われていないために、誤って(例えば)精神病と診断されてしまい、適切な治療が行われずにいる…、という状況が、実際には数多くあるのではないかと考えられる訳です。

そして、本当に低血糖症がそれらの症状に関与していることが考えられるのであれば、低血糖症の治療を行うことが根本的な治療のひとつに当たると言えるのです。

そこで問題になるのが、低血糖症をどのように診断するか、ということです。

糖代謝を調べる血液検査項目は多くあります。

グルコース(血糖値)
ヘモグロビンA1c
グリコアルブミン
グリコヘモグロビン
フルクトサミン
遊離脂肪酸
中性脂肪
インスリン
アミラーゼ
総コレステロール
HDL(善玉)コレステロール
カリウム
尿糖
尿中ケトン体

などなどです。

栄養療法を行う前の検査では、必ずしもこれらを全部調べるわけではなく、これ以外の数多くの項目も組み合わせて、総合的に糖代謝・脂質代謝・タン白質代謝・ビタミン・ミネラルの過不足などの評価を行います。

これらが異常値(基準値の範囲に収まっていても正常とは限らない)を示していれば、低血糖症である可能性が高いのですが、一見問題ないと考えられる数値でも実際には低血糖症である場合もあります。

そこで、低血糖症の確定診断を行うのに必要なのが、5時間の糖負荷検査なのです。

糖尿病の検査で、75gOGTTというのをおやりになったことがある方もいらっしゃるかもしれません。

空腹時に75gのブドウ糖飲料を飲んでもらい、その後30分おきに2時間の採血を行い、血糖値の変化を見る検査です。

基本的にそれと同じなのですが、糖尿病の診断のためには血糖値がどの程度上昇したかだけをみればいいのですが、低血糖症の診断の場合は、血糖値が上昇した後にどの程度どのように低下したか、というのを知りたいので、5時間かけて検査を行うのです。

5時間飲まず食わずで9回採血をしますので、患者様にとっては楽な検査ではありませんし、当然保険もきかないので自費になります。

しかしこの検査が、本当に低血糖症であるか否か、またはどのようなタイプの低血糖症であるかの診断には不可欠なのです。

続きます。

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血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

低血糖症について、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2007年の記事に追記

現在の国際的な指針は、症状があるときに低い血糖値を確かめ、糖で症状が消えるかを見て低血糖を判断します。5時間の糖負荷検査は、健康な人との区別がつきにくいと報告されています。

  • 米国内分泌学会の指針は、低血糖を評価する人を絞るよう勧めています。条件は、症状があり、血糖値が低く、血糖値を上げると症状が消えることです(Whippleの三徴)。出典:Cryer ほか, J Clin Endocrinol Metab 2008/PubMed 19088155・DOI 10.1210/jc.2008-1410
  • 反応性低血糖と診断された女性29人と、年齢・体格をそろえた11人の研究です。5時間の糖負荷検査で、血糖値やインスリンの値も曲線の形も差がありませんでした。平均6.4年の経過で、糖尿病への進行も見られませんでした。出典:Volčanšek ほか, Metabolites 2022/PubMed 36557270・DOI 10.3390/metabo12121232
  • 肥満のある69人で、ブドウ糖液ではなく混合食の負荷試験を使い、反応性低血糖を定義し直す試みも報告されています。この研究では19人が反応性低血糖の反応を示しました。出典:Sweatt ほか, Nutrients 2026/PubMed 41829992・DOI 10.3390/nu18050822

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2007 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2007年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

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よく聞かれること

5時間の糖負荷検査は必要ですか?
現在の指針では、症状が出たときの血糖値を確かめる方法が基本です。当院では、症状や血液検査の結果をみて、必要な検査を医師が判断します。
血液検査の数値が基準範囲内なら問題ないですか?
基準範囲は多くの人の値をもとにした目安です。症状と合わせて見ることで、わかることがあります。気になる症状は低血糖症の栄養療法外来でご相談ください。
うつ病と診断されています。低血糖症の検査を受けたほうがよいですか?
うつ病には薬や心理療法などの標準治療があり、まずは主治医の治療を続けてください。当院の分子栄養療法は、その治療と並行して行うものです。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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