不妊治療に及ぼす栄養療法の効果
不妊治療をしている患者様が栄養療法を行うと、それまでには見られなかった様々な変化が起きてきます。
例えば、このようなことです。
①基礎体温の高低差がはっきりする
②低体温の傾向があった方は体温が上がってくる
③月経不順が改善する
④無排卵だった方は排卵する
⑤頚管粘液がよく出るようになる
⑥卵胞がよく育つ
⑦子宮内膜が厚くなる
⑧卵子の質が良くなる(体外受精の場合にのみ確認できます)
⑨精子の質が良くなる
・・・などなどです。
今日は基礎体温について考察(と言うほどではありませんが・・・)してみます。
基礎体温は、それまで排卵してはいるものの高温期にあまり体温が上がらず、低音期と高温期の差があまりはっきりしなかった方が、栄養療法を始めると、カッキ-ン! と体温の差がはっきりしてきます。
これは黄体ホルモンの分泌が改善したことを意味すると考えられます。
また、不妊症の方は体温が低い方が多いのですが、全体的な体温も上がってきます。
低体温の原因自体が明らかでありませんが、代謝が低下していることが原因として考えられます。
分子栄養学的には、まず鉄欠乏による貧血(ヘモグロビンが基準値内でも隠れた貧血がある場合が多い)や、ビタミンB群などエネルギーを産生するための栄養素が不足していること、タンパク質不足などのため血液濃縮が起こり循環不良を起こしている、筋肉量の減少や運動不足による体温産生能力の低下などの原因が考えられます。
大体冷え性の方が多いのですが、このような方に栄養療法を行っていくと、体温が上がってきますし冷え性も改善します。
これは栄養素の至適量の補給により、代謝が改善し体温が作れるようになる、血行が改善する、などが理由と考えられます。
当然、基礎体温がはっきりしていなかったり、低体温では妊娠しやすい環境とは言えません。
栄養療法は直接ホルモンを投与したりするわけではもちろんありませんが、十分ホルモンを分泌できる環境に体内を整えることで、ホルモンの分泌をより適した状態に改善すると考えられます。
高度不妊治療を行ってもなかなか妊娠に至らない方が、栄養療法を行うと妊娠する場合が多々あるのは、このような体内環境の改善によるものだと言えるでしょう。
栄養療法による不妊症治療についてはこちら☆