03-6452-6611 受付 水曜〜土曜 10:00〜17:00 完全予約制 休診日 日・月・火・祝

NEWS & BLOG | 栄養療法とタン白質

ポイント イズ タン白質。

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 栄養療法の効果が期待したほど出ない理由の一つは、タン白質が十分とれていないことだと筆者は書いています。
  2. 体は「異化」と「同化」を繰り返しており、両者を釣り合わせるのが栄養療法の目的の一つです。
  3. 小腸粘膜の細胞は2日、皮膚細胞は28日、赤血球は120日で寿命がくると紹介しています。
  4. タン白質を木材、ビタミン・ミネラルを大工道具にたとえ、材料がなければ家は建たないと説明しています。

栄養療法の効果には、当然ながら個人差があります。


(*病態によっては、病態改善に時間がかかるため3ヶ月では効果判定には早すぎる、という場合もあります)

その場合、考えられる理由として、栄養素の量が必要量より少なかった、または栄養素の吸収能力が低下している、などの理由が考えられますが、実は栄養療法の効果に大きく影響する要素の一つが、

「タン白質が十分摂取できていたかどうか」

なのです。

・ カプセルや錠剤などの粒は飲めるけれど、プロテインだけが飲めなくて余ってしまう
・ サプリメントで摂っているからいいや!と食事できちんとタン白質を食べていない

などの場合、効果が全くでないということはありませんが、期待した効果が得られない場合が多いのです。

それは何故なのでしょうか?

栄養療法の目的のひとつは、体の中を
「異化=同化」
の状態にするということです。

異化とは「体の組織が壊される」ことであり、
同化とは「食べたものが体の組織になる」ことです。

人間の体は活発にターンオーバー(新陳代謝)しており、常に「異化」と「同化」を繰り返しています。

タン白質は必ず古くなると壊され、細胞は寿命がきたら必ず死にます。
小腸粘膜の細胞は2日、皮膚細胞は28日、赤血球は120日で寿命がきます。
つまり人間の体は、放っておいたら壊れていく、「異化」の方向に進んでいくのです。

しかし、壊れっぱなしだったら人間の体はすぐに老化して死んでしまいますが、実際には細胞が分裂することにより、細胞が死んだ分をカバーしています。
つまり「同化」です。

細胞が死んでも、その分の数や質を保って細胞が生まれ変わっていれば、老化も病気も起こりにくい、ということになります。

細胞がちゃんと新陳代謝して、望ましい状態でターンオーバーするには、当たり前の話ですが材料が必要です。

その基本的な材料は何か…、当たり前ですが、タン白質なのです。

体を木造建築に例えると、タン白質は木材そのものです。
ではビタミン・ミネラルは何か…、というと大工道具に当たります。例えば釘やトンカチ、ノミやのこぎりなどと思っていただければわかりやすいでしょう。
釘やトンカチも必要ですが、それだけあっても材木がなければ家は建たないのと同じで、ビタミン・ミネラルだけ摂れていても、タン白質が不足していてはターンオーバーがうまくいかないのです。

一般的な日本人はタン白質不足なので、

「異化>同化」のパターンになっています。

「異化>同化」では老化します。
また病気になりやすくなります。

「異化=同化」の状態にすることが、病態改善、老化防止(アンチエイジング)には必要不可欠なのです。

逆に言えば、ターンオーバーは「材料次第」です。

粗末な材料しかなかったら粗末な家しか建たないのと同じように、口から入ってくる栄養素が乏しければ、それなりのターンオーバーしかできないのです。

つまり、「異化=同化」の状態にし、最適な健康状態を保つために、栄養療法の効果を出すために、タン白質は必要不可欠であり、最重要ポイントである、と言っても過言ではないのです。

また、体の中でいろいろな化学反応を行っている「酵素」(血液データで見ている項目の多くを占めているのは酵素です)はタン白質でできていますから、タン白質不足では酵素活性に変化が起こりにくく、データが変わらない、要するに体内環境が改善しない、ということになります。

栄養療法をせっかくやっているのだから、やっていただいているのだから、できうる限り最大限の効果を出したい!

そのための重要ポイントがタン白質、すなわちプロテインでありアミノ酸であり、食事でのタン白質摂取です。

一番面倒くさいですし、人によっては症状のため摂りづらい…、ということも確かにあるのですが、タン白質の重要性をしっかり理解していただき、努力して摂っていただきたいと思います。

タン白質の重要性についてはこちら☆

あなたのからだの「足りない」、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

分子栄養療法とはについて、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2007年の記事に追記

2026年時点の研究で、体では毎日多くの細胞が入れ替わり、その多くが血液と腸の細胞だとわかっています。タン白質を増やす効果は、運動と組み合わせたときに出やすいことも示されています。

  • 体の細胞の入れ替わりを推計した研究では、毎日80±20 gの細胞が入れ替わり、その多くは血液の細胞と腸の上皮細胞でした。数で見ると90%近くが血液の細胞でした。出典:Sender ほか, Nat Med 2021/PubMed 33432173・DOI 10.1038/s41591-020-01182-9
  • 高齢者の試験をまとめた解析では、タン白質を増やして筋肉量と握力が増えたのは、筋トレと組み合わせた場合でした。筋トレなしでは上乗せは見られませんでした。出典:Kirwan ほか, Am J Clin Nutr 2022/PubMed 34673936・DOI 10.1093/ajcn/nqab355

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2007 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2007年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

あわせて読みたい

よく聞かれること

プロテインが苦手で飲めないときは?
食事の肉・魚・卵・大豆・乳製品でとる量を増やす方法もあります。飲み方の工夫はプロテインが苦手…?でも紹介しています。
サプリメントを飲んでいれば、食事のタン白質は少なくてもいいですか?
本文では、粒のサプリメントだけでは、期待した効果が出にくいとしています。食事でとるタン白質が基本です。
効果はどのくらいの期間で判断しますか?
本文では3か月後の再診を目安にしていますが、病態によってはもっと時間がかかります。効果には個人差があります。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

初診のご予約

初診は予約制です。下のフォームで希望の日時をお知らせください。受付時間内にお電話で日時を確定します。
お電話でもご予約いただけます。

初診の予約を申し込む▼24時間受付/受付時間内にお電話で日時を確定します(送信だけでは予約は確定しません)

日時を確定するため、お電話でご連絡します

受診は任意

第1希望(例:10月24日の午後)。第2希望もあればお書きください