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NEWS & BLOG | 栄養療法の考え方(2)

今、なぜ栄養療法なのか?(2)~分子整合栄養医学とは~

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 記事の言う栄養療法は、分子整合栄養医学(オーソモレキュラー)という考え方にもとづくものです。
  2. 体にもともとある物質を最適な量まで補い、病気の予防・治療をするという定義を紹介しています。
  3. この言葉は、ビタミンCの研究で知られるライナス・ポーリング博士が作ったと説明しています。
  4. 薬は症状を抑える対症療法で、栄養療法は原因の分子の異常を正すもの、と対比して述べています。

昨日、わかっていながら体を冷やすようなことをしたので、ギックリ腰になってしまいました。

同時に悪心に襲われ、吐くかと思いましたが、お灸をあちこちしまくったら胃腸が動き出し、その後休んだらだいぶ良くなりました。

私の場合、胃腸の不調と腰痛がセットになってくる(東洋医学的に言うと脾腎両虚)のです。

栄養療法でほとんど良くなったのですが、不精してはいけないということですね(> <)

反省です…。

手首にお灸をしているの図

さて、前回の話の続きです。

栄養療法とはどんな治療法なのでしょうか。

私の言う栄養療法は(*人によって異なるものを指す場合もあります)、

「分子整合栄養医学(分子栄養学)」と言う学問に基づいた、治療学の一分野です。

「分子整合栄養医学」とは、英語では、

「Orthomolecular Medical Nutrition」

または

「Orthomolecular / Nutritional Medicine」

と言います。

その定義は

「もともとある生体内物質を、至適量となるまで補給することによって疾患の予防・治療を行うこと」

(http://www.orthomolecular.org/より)

です。

この言葉は、ビタミンCの研究で有名な、故ライナス・ポーリング博士の造語です。

ortho=整える、矯正する
molecule=分子
medicine=医学

つまり、私たちの体を作っている分子=栄養素 を 至適濃度に整える ことにより、病態を改善する、という治療法なのです。

そもそも健康とは何なのか?というところに立ち戻ってみましょう。

健康とは、「体を作っている分子が本来あるべき正常な状態である」ということです。

細胞を作っている分子が正常な望ましい状態であれば、細胞は正常に機能します。

細胞が正常に機能すれば、細胞で作られている組織(内臓などの器官)は、ほかに理由がなければ、正常に機能しているはずです。

言い換えれば、「健康とは体が本来持っている機能を十分に発揮できる状態」、とも言えるでしょう。

ところが、様々な要因、つまり栄養欠乏、ストレス、農薬・公害・食品添加物・煙草などの有害な化学物質、適切でない生活習慣、生まれ持った体質などによって、体を作っている分子には異常が起こります。

そして、細胞の機能が低下し、臓器の機能が低下します。

また、ホルモンや自律神経の異常を引き起こし、体の機能が円滑に働かなくなってしまいます。

その結果、様々な症状や病気が起こってしまうのです。

ということから、「体(細胞)を構成している分子を正常な状態に整えること」が、病気の治療や健康を手に入れることに関して、もっとも根本的なアプローチであることがおわかりになると思います。

この考え方が「分子整合栄養医学」なのです。

そして体を構成している分子とは、当然のことながら、栄養素です。

つまり、至適量の栄養素を補給して分子の異常を正常化し、健康を取り戻すという方法が、「分子整合栄養医学に基づいた栄養療法」なのです。

残念ながら、現代医学の薬剤中心の治療アプローチでは、「起きてしまった病的な変化」に対して、局所的に変化を起こして(代謝をストップさせて)その症状を取ることはできます(追記)が、そもそもその原因となった分子の異常(多くの場合は複合的に起こります)を正常化することはできません。

薬剤は人体にはそもそも存在しない化学物質であり、ほとんどは単一な薬効しかないからです。

これが、現代医学のほとんどが「対症療法」であり、根治療法でない理由です。

またまた長くなってしまったので、この続きはまた次回。

(追記)たとえば、アラキドン酸カスケードをブロックする抗炎症薬や、HMG-CoA還元酵素を阻害するコレステロール低下薬など。

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血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

分子栄養療法とはについて、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2006年の記事に追記

分子整合栄養医学は、2026年時点で標準治療として確立した方法ではありません。うつ病へのEPAの併用など一部には根拠がありますが、多くの栄養素では予防・治療の効果が確かめられていません。

  • 精神疾患への栄養素サプリを調べた33のメタ解析のまとめです。うつ病へのEPA(魚の油に多い脂肪酸)の併用に最も強い根拠がありました。統合失調症への同じ脂肪酸には根拠が見られませんでした。出典:Firth ほか, World Psychiatry 2019/PubMed 31496103・DOI 10.1002/wps.20672
  • 米国予防医療専門委員会は、心臓病やがんの予防にβ-カロテンとビタミンEのサプリを勧めないとしました。マルチビタミンなどは、利益と害を判断する根拠が足りないとしています。出典:USPSTF, JAMA 2022/PubMed 35727271・DOI 10.1001/jama.2022.8970
  • 抗酸化サプリ(β-カロテン、ビタミンA・C・E、セレン)の78試験をまとめた解析です。死亡を減らす効果は見られず、β-カロテンとビタミンEは死亡をやや増やしていました。出典:Bjelakovic ほか, Cochrane Database Syst Rev 2012/PubMed 22419320・DOI 10.1002/14651858.CD007176.pub2

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2006 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

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よく聞かれること

分子整合栄養医学は、標準的な治療ですか?
いいえ。2026年時点で、標準治療として確立した方法ではありません。当院では検査で不足を確かめ、病院の治療と並行して補います。
薬をやめて、栄養療法だけにできますか?
自己判断で薬をやめないでください。栄養療法は薬の代わりではなく、主治医の治療と並行して行うものです。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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