今、なぜ栄養療法なのか?(2)~分子整合栄養医学とは~
昨日、わかっていながら体を冷やすようなことをしたので、ギックリ腰になってしまいました。
同時に悪心に襲われ、吐くかと思いましたが、お灸をあちこちしまくったら胃腸が動き出し、その後休んだらだいぶ良くなりました。
私の場合、胃腸の不調と腰痛がセットになってくる(東洋医学的に言うと脾腎両虚)のです。
栄養療法でほとんど良くなったのですが、不精してはいけないということですね(> <)
反省です…。
手首にお灸をしているの図
さて、前回の話の続きです。
栄養療法とはどんな治療法なのでしょうか。
私の言う栄養療法は(*人によって異なるものを指す場合もあります)、
「分子整合栄養医学(分子栄養学)」と言う学問に基づいた、治療学の一分野です。
「分子整合栄養医学」とは、英語では、
「Orthomolecular Medical Nutrition」
または
「Orthomolecular / Nutritional Medicine」
と言います。
その定義は
「もともとある生体内物質を、至適量となるまで補給することによって疾患の予防・治療を行うこと」
(http://www.orthomolecular.org/より)
です。
この言葉は、ビタミンCの研究で有名な、故ライナス・ポーリング博士の造語です。
ortho=整える、矯正する
molecule=分子
medicine=医学
つまり、私たちの体を作っている分子=栄養素 を 至適濃度に整える ことにより、病態を改善する、という治療法なのです。
そもそも健康とは何なのか?というところに立ち戻ってみましょう。
健康とは、「体を作っている分子が本来あるべき正常な状態である」ということです。
細胞を作っている分子が正常な望ましい状態であれば、細胞は正常に機能します。
細胞が正常に機能すれば、細胞で作られている組織(内臓などの器官)は、ほかに理由がなければ、正常に機能しているはずです。
言い換えれば、「健康とは体が本来持っている機能を十分に発揮できる状態」、とも言えるでしょう。
ところが、様々な要因、つまり栄養欠乏、ストレス、農薬・公害・食品添加物・煙草などの有害な化学物質、適切でない生活習慣、生まれ持った体質などによって、体を作っている分子には異常が起こります。
そして、細胞の機能が低下し、臓器の機能が低下します。
また、ホルモンや自律神経の異常を引き起こし、体の機能が円滑に働かなくなってしまいます。
その結果、様々な症状や病気が起こってしまうのです。
ということから、「体(細胞)を構成している分子を正常な状態に整えること」が、病気の治療や健康を手に入れることに関して、もっとも根本的なアプローチであることがおわかりになると思います。
この考え方が「分子整合栄養医学」なのです。
そして体を構成している分子とは、当然のことながら、栄養素です。
つまり、至適量の栄養素を補給して分子の異常を正常化し、健康を取り戻すという方法が、「分子整合栄養医学に基づいた栄養療法」なのです。
残念ながら、現代医学の薬剤中心の治療アプローチでは、「起きてしまった病的な変化」に対して、局所的に変化を起こして(代謝をストップさせて)その症状を取ることはできます(追記)が、そもそもその原因となった分子の異常(多くの場合は複合的に起こります)を正常化することはできません。
薬剤は人体にはそもそも存在しない化学物質であり、ほとんどは単一な薬効しかないからです。
これが、現代医学のほとんどが「対症療法」であり、根治療法でない理由です。
またまた長くなってしまったので、この続きはまた次回。
(追記)たとえば、アラキドン酸カスケードをブロックする抗炎症薬や、HMG-CoA還元酵素を阻害するコレステロール低下薬など。