今、なぜ栄養療法なのか?
こんばんは。
音楽話より本業の話をしなくちゃいけませんね。
今日は、「今なぜ栄養療法が必要なのか?」と言うお話です。
実は、ほとんど全ての慢性疾患は栄養欠乏が関与していると言われています。
と言うことは、栄養療法が効果を示す病態は、実はとっても多いと言うことです。
現代社会は食べ物で溢れています。
特にわが国・日本では、幸せなことにほとんど飢えた人はいませんよね。
それより廃棄される食べ物が多すぎて問題になっている位ですから。
ですから、昔の食べ物のない時代と違って、「栄養が足りない」なんて言うことはあまり認識されないことが多いです。
しかし残念ながら、「お腹いっぱい食べられる」ことと、
「栄養素をきちんと摂れる」こととは、
全く別の問題
です。
私たち現代人の食べものは、ある意味、史上最悪だと言っていいでしょう。
その理由には以下のものが挙げられます。
食品工業の技術が進んで、食べものを精製して食べるようになった
(精製する過程において多くの微量栄養素は破壊される。
例えば、米・麦などの穀物や油・塩・砂糖などの調味料なども)
●加工食品の摂取の増加(加工している間にも栄養成分は減少する)
●保存技術の進歩(保存している間にも栄養成分は減少する)
●農作物自体の栄養価の低下
●ジャンク・フードの氾濫(カロリーだけあって体に必要な栄養素はほとんど入っていない、「エンプティ・カロリー」の代表選手)
●食品添加物・農薬などの濫用
●ストレスに溢れた生活(ストレスはビタミンCなどの栄養素を消耗する)
などなど。
と言うわけで、現代社会は残念ながら、「栄養素をとても摂りづらい社会」になってしまっています。
そのため、実は都会に住む現代人のほとんどは、
カロリー過剰の(隠れ)飢餓状態
なのです。
カロリーばかり多く、タン白質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素は絶対的に足りていません。
別に脅かすわけではないのですが、これは事実です。
間違いなく、現代人の体調不良、病気(老化を含む)の一因は、栄養素の欠損によるものなのです。
じゃあ、食事をきちんと摂りさえすればいいんでしょう?
とおっしゃりたいあなた。
栄養療法は、「食事をきちんと摂る」ということとも違うのです。
もちろんちゃんとした食生活(何をもって「ちゃんとした」とするかが問題ですが)をしたほうが良いに決まっています。
余程ひどい食生活をそれまでしていた場合は、食事を変えるだけで良くなる症状もあるでしょう。
しかし、食事から摂れる栄養素の量には限界があり、「病態を改善する」と言う目的からすると、期待する量をとることは難しいのです。
この、「栄養療法と食事療法の違い」は、実際なかなか理解されづらいところです。
長くなるので、この続きはまた次回。