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NEWS & BLOG | 栄養コラム

スーパーサイズ・ミー考その1

 HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 映画「スーパーサイズ・ミー」で30日間ファストフードを食べ続けた監督は、体重11kg増、GPT 17→471 の肝機能障害、高血圧、頭痛・うつ状態になりました。
  2. 問題はカロリーではなく食べ物の質です。糖質と脂質は過剰なのに、たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が極端に足りない「エンプティ・カロリー」です。
  3. 同じカロリーでも、B群が足りているかどうかで太りやすさはまったく違います。

同じネタが続きますが、モーガン・スパーロック氏監督の「スーパーサイズ・ミー」という映画についてです。長いです。

(ネタバレ注意!まだ観ていない方で内容を知りたくない方は読まないでください)

この映画を観た後、この映画に関する批判や論争を、ネットで見られる範囲ですが、いくつか見ました。

私が驚いたのが、この映画の結末が私にとっては「さもありなん」であり、至極同意できる話だったのに対し、意外に批判的な意見が多かったことです。

「やり方が極端すぎる」

「マクドナルドでなくとも、同じものを食べ続けていたらこうなって当然(=だからマクドナルドの食事が悪いわけではない)」

「売名行為にすぎない」

などなど。

知らない方のために書いておくと、この映画は、スパーロック氏が30日間3食マクドナルドを食べ続け、どうなったか、ということを描いたドキュメンタリー映画です。

その結果、彼は体重が11kg増加し、高血圧と肝機能障害になりました(1ヶ月の間にGOTが18→171→86IU/l、GPTが17→471→240IU/lと推移したということです!)。

尿酸値も上がり、頭痛、胸痛、倦怠感、脱力感、イライラ、うつ状態、性欲の低下などの症状を呈しました。

この映画に対する反論として、同じ実験をやったところ、太るどころかやせました、という実験結果を公表している人たちがいます。

しかしこれは摂取カロリーがかなり抑えられたもののようで、いくら3食マックでも、それ以前の摂取カロリーよりも減らせばやせるに決まっています(健康的なやせ方とは言えないのでおすすめできませんが)。これはフェアではないので比較の対象にはならないでしょう。

この映画を批判する「ボウリング・フォー・モーガン」という自主映画まであります(もちろん、「ボウリング・フォー・コロンバイン」をパロっています←私は観てないのでよくわかりません)。

確かに、彼の実験では摂っているカロリー量がかなり多いです。5000~6000kcalを、1日3回のマック食で摂っていたようです(考えただけで気持ちが悪くなりますが…)。

私も、モーガンはそれまでどんな食生活をしていたのか?と言うことが気になりました。

彼の本によると、大の料理好きのお母様のおかげで、かなり栄養的には良い食事をしていたようです。カロリーもそこまでは摂っていなかったはずです。

マックでなくでも、急激にカロリーを増やして運動もしなかったら、もちろん太るでしょう。

本当は、カロリーを同じにして、いろんな食材を組み合わせた栄養バランスのよい健康的な食事と、マック食を比べる、ということをやっていたら、このような批判は起こりにくかったのではないかと思います。
(そのかわりインパクトは薄れますね)

しかし、そうしたとしても、やはりマックは体に良くない、という結果が出るであろう、と私は思います。

問題はカロリーではなく、「食べ物の質」にあるからです。

マクドナルドだけでなく、ファーストフードやコンビニなどで買えるハンバーガーやサンドイッチ、スナック、おにぎりなども含め、多くの加工食品はいわゆる「エンプティ・カロリー」と言われるものです(そうじゃない加工食品ももちろんありますが)。

エンプティ・カロリーとは、脂質や糖質といったエネルギー源は十分に(過剰に!)入っているのに、ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素やタン白質、食物繊維などが極端に不足している食べ物のことです。

(ファーストフードはタン白質が多いという印象がありますが、総カロリーにおけるタン白質の含有量はあまり優秀ではないと思います)

脂質・糖質というエネルギー源だけを摂っても、エネルギーを産生するために必要なビタミンB群が十分でなければ、エネルギーを産生することが充分にできないので、太りやすくなります。

同じカロリーの食事を摂っていても、ビタミンB群が充足しているかいないかで太りやすさは全く違います。

また、単純な糖質を摂るということは、ただでさえ足りないB群をさらに消費することになるので、精神面にも影響がでます。つまりキレやすくなります。人によってはうつの傾向も出てくるでしょう。ビタミンB群は脳神経機能に非常に深く関与しています。

また、お肌の代謝も悪くなるので肌荒れやニキビ、くすみなども起こります。

鉄や亜鉛などのミネラルも不足していますから、貧血や免疫力の低下、肌のトラブル、性機能障害、子どもだったら成長障害などが起きても不思議ではありません。

カルシウム・マグネシウムの不足は精神面にも影響を来たしますし、神経や筋への影響や、長期的に骨粗鬆症などのリスクを増やすでしょう。

食物繊維が足りなかったら、便秘や腸内環境の悪化による問題が起きてきます。

しかし、これらは栄養素が「足りない」ことによる悪影響なので、極端な話、エンプティ・カロリーを摂っていても、サプリメントで補充すれば解決できる問題です。
(しなかったら健康状態がかなり損なわれることは確実でしょう)

しかし、足りないだけでなく体にとって必要でない、はっきり言えば害になる成分も、これらの加工食品は含んでいます。

続く。

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費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

研究でわかっていること

  • 米国の若い成人3,031人を15年追うと、ファストフード店に週2回より多く通う人は、週1回未満の人より体重が4.5 kg多く増え、インスリン抵抗性の増え方は2倍でした。(Pereira ほか, Lancet 2005)

PubMed に収載された論文の抄録から、数字と結論だけを載せています。

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よく聞かれること

サプリメントは市販のものではだめですか
当院の治療用サプリメントは血液検査の結果にもとづいて医師が種類と量を決めます。市販のサプリメントとの違いは3つです。①1粒あたりの含有量が多い ②天然由来の原材料を用いている ③吸収率が高い。
食事だけで治せますか
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費用はどのくらいかかりますか
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