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NEWS & BLOG | 栄養コラム

スーパーサイズ・ミー考その2

 HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. ファストフードの問題は栄養の欠乏だけではなく、複数の添加物・クズ肉・使い回しの油(トランス脂肪酸)にもあります。
  2. 砂糖と精製炭水化物の多さが血糖を急上昇させ、インスリン過剰→脂肪蓄積→インスリン抵抗性→メタボリックシンドロームにつながります。
  3. 日本では低血糖症が正確に診断されることが少なく、うつ病やパニック障害と診断されて向精神薬の治療を受けている例が多い、と医師は指摘しています。

昨日の続きです。

「スーパーサイズ・ミー」という映画を観た感想から始まって、ファーストフードが持つ栄養学的な問題点を挙げてきました。

まず、エンプティ・カロリーと言うように、糖質と脂質は過剰であるにもかかわらず、ビタミン・ミネラルと言った微量栄養素や、タン白質・食物繊維と言った栄養素が欠乏していることがファーストフードの問題のひとつであることを書きました。

しかし、それらの食べ物の問題点はそれだけに止まりません。

その一つは言わずとしれた食品添加物です。また、そもそもの材料や、調理法にも問題があります。

「スーパーサイズ・ミー」ではマクドナルドがモーガン・スパーロック監督自身の人体実験の対象になっていました。

こういった企業は当たり前ですが利益を追求していますので、いかに販売コストを下げるかと言うことが至上命題です。

口当たりの良さや腐りにくさ・日持ちのよさ、加工のしやすさなどを改善しようと思った場合、その分添加物を増やすことになります(添加物はもっとも優れたコストダウンの方法なのです!)。

通常、食品添加物は目的に合わせて数種類以上のものが使われるのですが、単一の使用では安全性が認められていても、複数使用された場合の安全性はほとんど証明されていません。

また、マックのみならず、おおかたの加工食品に使われる肉は廃棄寸前のクズ肉です。クズ肉に山盛りの添加物を加えて練り上げて、美味しそうなハンバーグやパテが出来上がるのです。

また、揚げ物に使う油はどんな油でしょうか?高級てんぷら屋でもない限り、油は使い回しです。こういう業界では酸化しにくいように水素添加した半硬化油が広く使われています。こういう油にはトランス脂肪酸という自然界には存在しない脂肪酸が多く含まれており、これらは通常の油に比べ、動脈硬化や心筋梗塞を起こすリスクが非常に高いことが知られています(同じ理由でマーガリンは体に悪い油であり、ヨーロッパでは発売禁止になっている国もあります。日本では健康に良いと信じている人がたくさんいますが!)。

そしてもうひとつの大きな問題は、これらの食品は飲み物などを含めて、砂糖や精製した炭水化物(小麦粉・白米など)の含有量が非常に多いということです。

これらは血糖値を急速に上昇させるので、インスリンを過剰に分泌させます。インスリンは糖を脂肪に変換するので、インスリンが過剰に分泌されている状態では太りやすくなります。その結果インスリン抵抗性を引き起こし、今流行のメタボリックシンドロームを引き起こす原因となるのです。

今回スパーロック氏に急激な肝機能異常が起きたのは、短期間に大量の糖質と脂質(しかもビタミンB群が欠乏した)を摂取したために、中性脂肪の産生が異常に上昇し、急激な脂肪肝が起きたと推察されます。

マック食で脂肪肝や肝機能異常が起きること自体はまったく驚きには値しませんが、1ヶ月と言う短期間であれだけの変化が起きたと言うことには正直驚きました。ここまで急激でなくても、こういうことが現代人には慢性的に起こっているわけです。

単純な糖質の害はそれだけではありません。

砂糖などの単純な糖質の摂取により、インスリンが過剰に分泌され、結果的に低血糖状態が起こり、これが様々な問題、特に精神症状(うつやパニック障害、キレる、幻覚・幻聴などの精神症状など)を引き起こすことが指摘されています。

低血糖は、糖尿病の患者さんがインスリン注射の量を誤った時に起きるものだ、というくらいの認識しか日本ではされていませんが、砂糖をはじめとする単純な糖質の摂取により、インスリンの過剰分泌や細胞での糖の利用障害などの糖代謝の異常を来たし、低血糖状態が起こります。そして低血糖状態は、うつや慢性疲労、倦怠感、失神などの症状の原因となります。

一方で、体が低血糖状態に晒されると、今度は血糖値を上げようとしてアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが過剰に分泌され、その結果イライラ、発汗、動悸、攻撃性などさまざまな精神症状を引き起こすのです。

また、低血糖状態に陥ると体が本能的に血糖値を上げようとするため、また糖質が欲しくなります。つまり「砂糖の中毒」状態になってしまうのです。

これらがさらに問題なのは、日本で低血糖症の診断が正確になされていることはほとんどなく、その多くはうつ病やパニック障害、統合失調症などと診断されて、多種類の抗精神薬などの治療を受けることになるということです(これは非常に怖ろしいことです!)。

このように、あまり知られてはいませんが、砂糖や精製炭水化物による低血糖の害は、密やかにしかし幅広く、現代人を蝕んでいるのです(この問題は深いのでまた後日)。

ジャンクフードには、これだけの(探せばもっとあるかも)栄養学的・医学的な問題点があります。

もちろん、食べる量が極少なければ(そしてその欠点を補うような食べ方を知っていれば)、この映画のような深刻な人体への影響は起こらないでしょう。

確かに、私たち日本人の平均的な感覚からすれば、スパーロック氏のやったことは「あまりに極端」だったかもしれません。

しかし間違いなく言えることは、量が多かろうが少なかろうが、こういうものを食べることが、決して

体に良いはずがない

ということです。

続きます。

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費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

研究でわかっていること

  • 米国の若い成人3,031人を15年追うと、ファストフード店に週2回より多く通う人は、週1回未満の人より体重が4.5 kg多く増え、インスリン抵抗性の増え方は2倍でした。(Pereira ほか, Lancet 2005)

PubMed に収載された論文の抄録から、数字と結論だけを載せています。

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よく聞かれること

サプリメントは市販のものではだめですか
当院の治療用サプリメントは血液検査の結果にもとづいて医師が種類と量を決めます。市販のサプリメントとの違いは3つです。①1粒あたりの含有量が多い ②天然由来の原材料を用いている ③吸収率が高い。
食事だけで治せますか
食事の見直しが土台です。不足が大きい場合は、治療量の栄養素を補ったほうが早く整います(記事の記載)。
費用はどのくらいかかりますか
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