03-6452-6611 受付 水曜〜土曜 10:00〜17:00 完全予約制 休診日 日・月・火・祝

NEWS & BLOG | PMSとは何か(6)

PMSとは何か⑥

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 筆者は、PMSの最も根本的な治療は栄養療法だと述べ、重い場合は食事だけでは足りないとしています。
  2. 食事では、3食をとり、肉・魚・卵・大豆などのたんぱく質を毎食の主菜にすることをすすめています。
  3. 炭水化物は少なめにして精製しない形でとり、砂糖・加工食品・カフェインは控える、という指導です。
  4. 睡眠、規則正しい生活、適度な運動、ストレスの解消も、予防の助けになると書いています。

「女子は月経に支配され、男子は月給に支配される。」

これはあるブログに出ていた「名言」だ。
女性と男性の生理の違いを絶妙に表していると私は思う。
PMSはまさにこの状態だ。
(もうひとつ付け加えれば「人間は血糖値に支配される」!)
私たちが自覚している以上に、人間の精神は、物質的な条件、つまり”脳の生化学的環境”(神経伝達物質やホルモンや血糖値など)に支配されているのだ。
もちろん身体も同じである。

前回まで、PMSとは何ぞや、ということを書いてきた。
私に言わせると、PMSとは「ホメオスターシスの乱れにより、月経のある女性であれば定期的に起こる女性ホルモンの変動というストレスに、身体が適応できなくなっている状態」である。

そしてホメオスターシスを乱す最大の原因は、栄養欠乏である。

よって、PMSの最も根本的な治療方法は栄養療法である、と言うのが私の意見である。
(もちろん、ホメオスターシスが乱れて起きる病態はPMSだけとは限らない。)

ホメオスターシスの乱れによる病態が相当進んでいる場合、食事療法だけでは残念ながら治療効果は望めない。栄養療法の効果は用量依存性であり、効果を出すためには相当量の栄養素が必要だからだ(時として必要栄養所要量の200~300倍にもなる!)。

栄養療法を行うにあたっては、まず具体的にどんな栄養素が不足しているのかを知ることが必要だ。

そのためには血液検査が必要なのだが、一般的な医師には栄養欠乏の概念がないので、分子栄養学に習熟した医師が診ることが必要である。その血液検査の結果に基づき、個人差に合わせた栄養素の補充を行っていくのだ。

栄養療法の詳しい方法については、個人差にもよるし専門性が必要なためにここでは書かないが、ホメオスターシスの乱れを引き起こさないために、自分でできること、特に「何を食べるべきなのか」について書いていくことにしよう。

食事について

1.まず3食きちんと食べること。

2.タン白質を充分に摂ること。肉・魚・卵・乳製品・大豆製品などを必ず”メイン”で毎食食べること。なお、鉄を摂るのに一番よい食材は動物性蛋白である。(*タン白質を食べる時には大根おろしを一緒に摂ると消化がよくなる)

3.もちろん野菜や海草、きのこ類なども食べること。

4.炭水化物は少なめに、なるべく精製していない形で摂ること。玄米や全粒粉のパンやパスタ、ライ麦パンなど。(五穀米は消化が悪いのでおすすめしない)

5.砂糖やぶどう糖果糖液糖がが入っている食べ物、飲み物は控えること。

6.加工食品は控えること(添加物が多く栄養素が少ない)。なるべく自然に近いものを食べること。

7.カフェインは控えること。

などである。

なかなか現実的には難しい面もあるかもしれないが、一番簡単なのはとにかくタン白質を摂るように気をつけることだ。野菜の栄養価は年々下がっているし(だからと言って食べなくていいわけではない)、「栄養密度」で言えば肉は非常に栄養価が高く、効率がいいからだ。

また、これはツライという人が多いかもしれないが、「砂糖」をなるべく摂らないようにすることも大切だ。
(*単純な糖質の摂取は一時的に血糖値を上げるものの、その後低血糖を引き起こすし、インスリン抵抗性を引き起こしメタボリック症候群の原因となる。また、体内で最も脂肪に変わるものは糖質なのだ!)

病態がしっかり出来上がってしまった場合には、食事の注意だけでは限界があり栄養療法が必要であるが、日頃の食事をおろそかにするべきではないのは当たり前の話である。

普段食べているものがあなたの体を作っているのだから!

その他には

1.睡眠をきちんととること
2.規則正しい生活をすること
3.適度な運動
4.ストレスの解消法を工夫する

なども当たり前にした方がいいことだ。

また、ホメオスターシスの乱れは東洋医学的な病態も引き起こすため、漢方や鍼灸、整体や経絡マッサージなど、経絡の乱れを整える治療も助けになるだろう。

以上の注意点は、PMSがある方も、ない方の予防にとっても、助けになると思うので、できることからこつこつと実行していただければいいと思う。

毎月のつらさ、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

PMS(月経前症候群)について、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2006年の記事に追記

PMSの薬では、SSRIの効果が多くの試験で確かめられています。栄養療法は一部で効果の報告があるものの、試験の質はまだ十分ではありません。

  • 34件のランダム化試験の総説で、SSRI(抗うつ薬の一種)はPMS・PMDDの症状をおそらく減らすと結論しました。吐き気などの副作用は増えました。出典:Jespersen ほか, Cochrane Database Syst Rev 2024/PubMed 39140320・DOI 10.1002/14651858.CD001396.pub4
  • 栄養の31件の試験を調べた総説では、偏りの少ない試験は1件だけでした。確かな食事の推奨には、さらに研究が要るとしています。出典:Robinson ほか, Nutr Rev 2025/PubMed 38684926・DOI 10.1093/nutrit/nuae043
  • PMSの1234人と対照の2426人を比べた研究で、カフェインの量とPMSの発症に関連はありませんでした。カフェインを減らす助言は、予防に役立たない可能性があります。出典:Purdue-Smithe ほか, Am J Clin Nutr 2016/PubMed 27385613・DOI 10.3945/ajcn.115.127027

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2006 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

あわせて読みたい

よく聞かれること

栄養療法だけでPMSは良くなりますか?
PMSには、SSRIや低用量ピルなど試験で効果が確かめられた治療があります。当院の分子栄養療法は、それらと並行して行うものです。PMS(月経前症候群)・PMDDの栄養療法外来
サプリメントは多く飲むほど効きますか?
多ければよいとは限りません。ビタミンB6などは、大量で副作用の報告があります。量は血液検査をもとに医師が決めます。
コーヒーは控えたほうがよいですか?
大規模な研究では、カフェインとPMSの発症に関連はみられませんでした。眠りが浅いなど体調に合わないときは、量を調整してください。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

初診のご予約

初診は予約制です。下のフォームで希望の日時をお知らせください。受付時間内にお電話で日時を確定します。
お電話でもご予約いただけます。

初診の予約を申し込む▼24時間受付/受付時間内にお電話で日時を確定します(送信だけでは予約は確定しません)

日時を確定するため、お電話でご連絡します

受診は任意

第1希望(例:10月24日の午後)。第2希望もあればお書きください