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NEWS & BLOG | 低血糖症の連載(7)

低血糖症の恐怖 7 ~甘いものがやめられない理由~

 HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 甘いものをやめられないのは「中毒」です。糖質で血糖が下がった後に甘いものを摂ると一瞬楽になり、体がその快感を覚えて糖を求めます。
  2. 血糖の急降下は食後4時間ごろに起こることが多く、極端な場合は50mg/dl以下まで下がります。
  3. この連鎖を断つには、甘いものをすっぱりやめるしかありません。

あけましておめでとうございます。

昨年中は拙い本ブログにおつきあいいただき、ありがとうございました。
本年もどうぞお引き立てのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、機能性低血糖症の続きです。
(長いです)

機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。

その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。
(初めての方は低血糖症の恐怖1よりお読みください)

・ 甘いものが大好きだ
・ 砂糖は脳の栄養だと聞いたので、毎日チョコレートを欠かさず食べるようにしている
・ 疲れたときは甘いものに限る
・ 缶コーヒーやコーラなどを飲むのが習慣になっている
・ 必ず食後にデザートを食べなくては気がすまない
・ 甘いものを食べることは人生の楽しみだ
・ コンビニのスイーツコーナーは必ずチェックして、何かしら必ず買う
・ 食事をしている時間がないので、甘いジュースやお菓子などですます
・ 甘いものを食べていると幸せである
・ ケーキや菓子パンが主食である
・ 甘いものがなくては生きていけない

低血糖症の方はもちろん、低血糖症まで行かなくとも、このような「甘いもの中毒」になっている方はとても多いです。

血液検査後の栄養カウンセリング時に、甘いもの(または単純な糖質)の摂取が症状の原因になっている可能性があるので、甘いものをやめてください、と申し上げると、とてもショックを受ける方がいます。
極端な場合、泣いて嫌がる方もいます。

「甘いものがなくては生きていけない」
「白いごはんを食べないと死んでしまう」

などとおっしゃる方もいます。(白米も食べ方によっては低血糖症の原因となります)

実際には死ぬはずがないのですが、それほど、単純な糖質の「中毒」になっているのです。

しかし、症状の原因がそこにあるのならば、それをやめなければ病態の改善は見込めないのです。

何度も説明しているように、甘いものや精製された糖質(炭水化物)を多く食べる(または飲む)と、血糖値の急速な上昇が起こり、その結果インスリンが多く分泌されます。

一旦は上昇した血糖値は、大量に分泌されたインスリンの作用によって、急速に低下してしまいます。

この血糖値の低下がいつ起こるのか、これは低血糖症のタイプによっても変わってきます。

血糖値の上昇とインスリンの分泌が非常に急速に起こる場合は、食後1時間以内の場合もありますが、多くは食後4時間くらいに症状が起きることが多いようです。

血糖値は極端な場合、50mg/dl以下にも下がってしまいます。

そのような時に、いわゆる攻撃ホルモン(カテコラミン:アドレナリン・ノルアドレナリン)が分泌されることにより、低血糖症の様々な症状が起こってしまいます。

そしてもう一つの大きな問題は、ここでまた「強烈に甘いものが食べたくなってしまう」ことです。

血糖値の低下は脳の食欲中枢を刺激し、食欲を起こさせます。

血糖値を簡単に上げるものは、もちろん糖質です。

糖の形が単純であればあるほど、糖の吸収が早く血糖値がすばやく上昇するので、低血糖状態を改善するには好都合です。

そのような状態、つまり低血糖状態に陥り、エネルギー産生が低下し頭が回らなくなっていたり、カテコラミンが分泌されてイライラして暴力的になっていたり、または落ち込んで憂うつな気分になっているところに、甘いものを飲んだり食べたりすると、下がった血糖値が上昇するので、体は一瞬、ホッとします。

血糖値がある一定の範囲に戻ってくると、脳が血糖から安定してエネルギーを得られるようになり、攻撃ホルモンの分泌も収まるので、肉体的にも精神的にも安定するのです。

糖質を摂ることで、脳内麻薬と言われるエンドルフィンが分泌されるとも言われています。

単純な糖質の摂取は、血糖値が低下して落ち込んだ不安定な状態、言うなれば「戦闘モード」から、一気に安定した「安心モード」または「元気モード」に入らせます。
極端な場合、そのギャップが大きく「ナチュラルハイ」状態に感じるくらいです。

これがいわゆる「ゼッコーチョー!」状態と言えるでしょう。

しかし、血糖値が上がってよかった、よかった、ですめばよいのですが、そこで話は終りません。

実はこのギャップこそが、「麻薬」のような力を持っていると言っても過言ではないのです。

下がった血糖値を上げようと摂った再度摂った糖質は、また新たなインスリンの分泌を起こします。

やっと上がった血糖値がまた下がって、結果的にまた低血糖状態を引き起こします。

そしてまたカテコラミンが分泌されて、また甘いものが食べたくなって…、を繰り返すことになります。

つまり、血糖値が下がったからと言ってそこでまた単純な糖質を摂ることが、低血糖→ホルモン分泌、を繰り返す悪循環につながるのです。

体は、低血糖状態から回復した時の「快感」を覚えています。

血糖値が下がったら糖分を摂ればよくなる、と体が覚えたら(本人が自覚しているとは限りません)、体は糖分を求めるようになります。

これを理性で抑えることは通常かなり難しいことだと思います。

これが糖質、主には砂糖の、耽溺性の原因だと言えます。

このようにして、人間は簡単に「甘いもの中毒」になってしまいます。
(私もかつてはそうでしたからよくわかります)

この連鎖をどうやって断ち切るか。

そのためには、すっぱりと

甘いものをやめる

しかないのです。

続きます。

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血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

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当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2007年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

研究でわかっていること

  • 糖尿病のない肥満・過体重の男性に持続血糖測定をすると、半数が糖負荷のあとに血糖70 mg/dL未満になり、目立った症状はありませんでした。こうした人ほど間食が多く、「間食が間食を呼ぶ」悪循環が考えられています(日本の総説)。(Kishimoto, Metabolites 2023)
  • 反応性低血糖を疑って受診した40人のうち、糖負荷試験で症状と血糖55 mg/dL以下がそろったのは12人(30%)で、10人(25%)は症状があっても血糖が下がっていませんでした。バランスのよい食事の負荷では、55以下になった人はいませんでした。(Hall ほか, J Pers Med 2021)

PubMed に収載された論文の抄録から、数字と結論だけを載せています。

当院の実例(医師の記録・個人差があります)

20代前半の女性。落ち込みやすさ・うつ症状・動悸などのパニック症状で、外に出られない状態でした。検査で低血糖症が疑われ、3か月で落ち込みにくくなりました。くわしくは 若い低血糖症の患者様。

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よく聞かれること

「低血糖症」は病院で診断されますか
一般の外来では血糖値を1回測るだけのことが多く、血糖の動きまでは見ません。
糖尿病で治療中でも相談できますか
できます。主治医の治療を中断するものではありません。先に主治医にご相談ください。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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