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NEWS & BLOG | 低血糖症の連載(9)

低血糖症の恐怖 9 ~キレやすいのは子どもだけじゃない~

 HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 1999年の調査で小学5年生が「食事」として描いたのは、ホットケーキと牛乳・カップ麺とバーガー・パンにジャムなど、糖質に偏った献立でした。
  2. このような食事では、たんぱく質・ω3脂肪酸・ビタミンA/B群/C/E・鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウム・食物繊維が足りません。
  3. 足りない栄養素は補えば解決しますが、糖質を摂るほど減っていく栄養素があります。それがビタミンB群です。

低血糖症の続きです。

機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。

その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。
(初めての方は低血糖症の恐怖1よりお読みください)

長いです。

低血糖症は、体質に加え偏った食生活が持続すること、さらにそこにストレスなどが重なると起こりやすくなります。

低血糖症になりやすい食生活とは、当然、甘いものが多い食生活です。

甘いもの、すなわち砂糖またはぶどう糖果糖液糖が含まれた食品(菓子や飲み物など)が多い、または甘くなくても白米や白パンなどの精製された食品が多いことが、何度もご説明しているように血糖値の乱高下を引き起こす原因となります。

このような食生活では当然、他の栄養素が不足してきます。

例えば、このような食事はどうでしょうか。

・ホットケーキと牛乳
・カップヌードルとチーズバーガーとおにぎり
・クリームパンとヨーグルトと牛乳
・ホットケーキ
・パンとせんべい
・味噌汁とお茶
・ごはんとパンとお茶
・ドラ焼き
・ちらしずし
・パンにジャム
・カップラーメン

この献立(?)は、実際に小学校5年生の子どもたちに食べた食事を絵に書いてもらう調査を行い、明らかになった食事の内容です(1999年の調査)。(足立 己幸, NHK「子どもたちの食卓」プロジェクト知っていますか子どもたちの食卓―食生活からからだと心がみえるより)

驚くのはこのような食事がおやつとか朝食だけではなくて、これの半分は夕食の献立なのです。

全てのお宅の食事がこうであるとか、毎日こうであるわけではないでしょうが、非常に糖質に偏った食事の内容になっています。

これは子どもたちが「食事」とみなしたものの内容ですから、この他に間食として砂糖がたっぷり入ったお菓子やジュースなどを食べたり飲んだりしている可能性が大です。

見てわかるようにパンや白米などの精製された炭水化物や、加工食品が多く、しかも一品料理(料理ともいえないものもあります)が多いです。

このような食事では当然、体を作る基本的な材料であるタン白質や、良質な脂質、ビタミンやミネラル等が決定的に不足します。

このような食事は、まさしく

低血糖症まっしぐら

な食事なのです。

糖質過剰な食事と言うのはこのように非常にバランスが悪いので、様々な体に必要不可欠な栄養素が不足します。

・タン白質
・脂質(特にω3脂肪酸)
・ビタミン類(A・B群・C・E)
・ミネラル(鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウムなど)
・食物線維

それぞれの栄養素についてはまた個々のページを作りたいと思っているので(タン白質については過去ログあり)、特にうつやキレやすいなど精神的な症状に深く関わっている栄養素について、ここでは簡単に書いてみます。

タン白質は、60兆個の細胞でできていると言われる私たちの体を作っている基本的な材料です。

皮膚も髪も血液も血管も骨も歯も爪も内蔵も神経も脳も、私たちの体は頭の先から爪先まで、すべてタン白質が材料となってできています。

そして私たちの体を作っているタン白質は、必ず古くなると壊れて、細胞が死んでしまいます。

そこで新しくタン白質を作るためには毎日体重1kgあたり1gのタン白質が必要なのですが、このような食事ではおそらく必要な量の半分程度も摂れていないでしょう。

タン白質が足りないとまず新陳代謝が低下します。体力も低下し、疲れやすくなります。

神経伝達物質の材料は多くはアミノ酸なので、タン白質が足りなくても神経伝達物質がうまく作られず、うつやキレやすいなどの精神症状の原因となります。

ビタミンCには、代表的な抗酸化剤としての作用の他に、コラーゲンを作る、鉄の吸収を助ける、免疫力を高める、ホルモンを作る、脂肪酸を燃やす際に必要、などの作用があります。

低血糖症では、血糖値が下がって脂肪酸をエネルギーに変える時にビタミンCが十分ないとエネルギー産生不足に陥り、強い疲労感を訴えることがあります。

ミネラル類も非常に大切です。

鉄は多くの含鉄酵素の材料として必要であり、貧血を招かなくとも潜在的な欠乏により、うつや疲れやすい、頭痛、だるい、やる気がない、行動障害、不注意、多動、集中力の低下など、様々な症状の原因となります。

亜鉛は細胞が生まれ変わる時に必須のミネラルであり、亜鉛がないと細胞は分裂することができません。

不足すると、成長が遅れる、知能の発達に影響が起きる、味覚異常、皮膚炎、毛髪の問題、傷のなおりが遅い、免疫力低下、インスリンの分泌低下、興奮しやすい、疲労、混乱などの原因となります。

ある種の「うつ」などでは亜鉛欠乏が主要な原因である場合があります。

そして摂食障害にも非常に深く関係しています。

このようなは問題は子どもたちだけに起きているのではありません。

日本では子どもたちには素晴らしい給食と言うシステムがあるので、家でよっぽど悪い食事をしていて(させられて)いても、給食をちゃんと食べていればまだましです。

読みながら「ヤバイ…」と思っておいでの、いいお年をした方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実際にはこのような食生活が長く続くほど栄養欠乏は進行していくので、「年をとるごとに具合が悪くなっていく」のです。

そしてキレやすくなっていく場合もあるでしょう。

これらの栄養素の欠乏が、「血糖値が下がる」ということに加えて、代謝の低下や体調の悪さを起こし、そして私たちを「キレやすく」してしまいます。

しかしこれらの問題は、「足りない」ことによる問題なので、サプリメントなどで補えば解決できる問題です。

ところが、糖質が多い食事を続けると、「摂る量が不足する」だけではなく、「糖質を摂ることでどんどん減っていってしまう」栄養素があります。

それがビタミンB群です。

続きます。

食後の眠気やイライラ、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

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当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2007年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

研究でわかっていること

  • 若い受刑者231人の二重盲検試験で、ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸を補った群は、偽薬の群より規律違反が平均26.3%少なくなりました。(Gesch ほか, Br J Psychiatry 2002)
  • 食後症候群(反応性低血糖)は、食後の空腹感・脱力・不安を特徴とします。日本の14人の糖負荷試験では、インスリンが180分まで高いまま続き、グルカゴンが強く抑えられていました。(Kosuda ほか, J Nippon Med Sch 2022)

PubMed に収載された論文の抄録から、数字と結論だけを載せています。

当院の実例(医師の記録・個人差があります)

20代後半の女性。16〜24歳ごろまで過食と嘔吐を繰り返していました。初診時の検査で、強い鉄欠乏貧血・たんぱく質やビタミンB群・亜鉛の不足・低血糖症の疑いが見つかり、約8か月で自覚症状の多くが改善して、過食は基本的になくなりました(月経前だけ甘いものが欲しくなる)。くわしくは 低血糖症が疑われた摂食障害の患者様。

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よく聞かれること

「低血糖症」は病院で診断されますか
一般の外来では血糖値を1回測るだけのことが多く、血糖の動きまでは見ません。
糖尿病で治療中でも相談できますか
できます。主治医の治療を中断するものではありません。先に主治医にご相談ください。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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