低血糖症と肥満とメタボリックシンドローム
低血糖症の続きなのですが、ダイエット・メタボリックシンドロームのテーマを新たに作ることにしましたので、この記事はそちらでの投稿とします。
メタボリックシンドロームと低血糖症は、深い関わりを持っています。
機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。
その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。
(低血糖と肥満とメタボは切り離せない関係ですので、初めての方、正しい減量について知りたい方、メタボリックシンドロームにご興味のある方は、低血糖症の恐怖1よりお読みください)
前回は、精製された糖質を多く摂ることにより、インスリンが多く分泌され、糖→脂肪への変換が促進されるため(その結果低血糖になる)、脂肪の蓄積が進むことが、肥満の大きな原因であることをお話しました。
問題なのは、肥満はメタボリックシンドロームを引き起こし、様々な生活習慣病の原因になることです。
最近になってメタボリックシンドロームの定義が変更されたり、コマーシャルやTVなどでも盛んに報道され、老いも若きも「メタボ」を気にするご時世になりました。
メタボ、メタボと聞くけれど、実はよく分かってない…、と言う方も多いのではないかと思いますが、実はこのメタボリックシンドロームには、このブログで何度も出てきている「インスリン」と言うホルモンが深く関わっているのです。
メタボリックシンドロームは、1988年にまずReavenによって「シンドロームX」として提唱されました。
他に類似概念として、「死の四重奏」「インスリン抵抗性症候群」「内臓脂肪症候群」などと呼ばれてきました。
以下に各概念をまとめます。
シンドロームX (Reaven 1988) |
インスリン抵抗性 高インスリン血症 耐糖能異常 高VLDL-TG血症 低HDL-C血症 高血圧 |
死の四重奏 (Kaplan 1989) |
耐糖能異常 高TG血症 高血圧 上半身肥満 |
インスリン抵抗性症候群 (De Fronzo 1991) |
高インスリン血症 NIDDM 脂質代謝異常 高血圧 肥満 動脈硬化性心疾患 |
内臓脂肪症候群 (松沢、徳永ら1987) |
耐糖能異常 高TG血症 低HDL-C血症 高血圧 内臓脂肪蓄積 |
実際には全て同じ病態を指しているのですが、これらの病態の根本に存在するのは、「インスリン抵抗性」です。
続きます。