低血糖症の続きです。

機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。

その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。
(初めての方は低血糖症の恐怖1よりお読みください)

前回お話しましたように、低血糖症の診断は、5時間の糖負荷検査(OGTT)により行われます。

5時間の間に9回の採血を行い、血糖値およびインスリン値、体温を測定します。

ここではDr.ニューボールドの診断基準を書いてみます。

①5時間のOGTTで絶食時の血糖値より50%mg/dl以上上昇しない
②5時間のOGTTで絶食時の血糖値より20%mg/dl以上下降した
③5時間のOGTTの間にどの時点でも1時間に50mg/dl以上下降した
④5時間のOGTTで絶対値50mg/dl以下を記録した(65mg/dl以下は疑わしい)
⑤血糖値のカーブに関わらずOGTT施行中に、めまい、頭痛、混乱、発汗、憂うつ等の症状が現れた場合

柏崎良子先生によると、それに加えて

⑥血糖値がなだらかな曲線を描いていても、インスリン値の変動が明らかである場合、その数値が実際の数値とは限らない
⑦血糖曲線が正常でも体温の上下が著しい時は採血の間に血糖値の変動が起きていると考えられる
⑧血糖値が正常でも曲線に小刻みな山がいくつもある場合、血糖値の急落および血糖値を上昇させるホルモンの動きがある

1回の血液検査で低血糖症が疑われても、本当に低血糖によって症状が起きているかどうか、つまり本当に低血糖症であるかどうかの確定診断には5時間の糖負荷検査を行うしかありません。

また糖質の摂り方などの方針を決定するのに、5時間の糖負荷検査はとても大切な検査だと言えるでしょう。

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