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NEWS & BLOG | 課題発見者と課題解明者(2)

課題発見者と課題解明者②

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. ペニシリンやメンデルの法則は、観察と直感から生まれた発見の例だと筆者は紹介しています。
  2. フレミング卿は、カビの周りに細菌がいない輪を見て、殺菌物質の存在をひらめいたと説明しています。
  3. 新しい発見は当初受け入れられにくく、メンデルの法則も長く埋もれていたと述べています。
  4. 胎児期の低栄養が大人の病気に関わるバーカー仮説は、今はDOHaD学説として定着したとしています。

一昨日の続きです。

セリエ博士のこの本読んでみたい!とおっしゃってくださる方が多かったのですが、これは研究者向けの講演の内容をまとめた本なので、一般の方にはやや難しいかもしれません。

(ねずみちゃんの可哀想な写真もてんこ盛りですし…(^^;)

ストレス関連の本に関してはお勧め本をおいおいアップしていきたいと思います。

さて、医学における様々な発見、例えばメンデルの法則、ペニシリンの発見などは、観察と直感によって明らかになりました。

アレキサンダー・フレミング卿が細菌を培養している時に、培養皿にカビが紛れこみ、その周りに細菌がいないことを示す丸い輪ができました。
フレミング卿はそれを見て、カビの作った物質が細菌を殺したのであり、これは伝染病との闘いに使用できるかもしれない、と閃いたのでした。

それまでにもその事実をを観察していた研究者は沢山いたはずですが、誰もカビが有用な殺菌性物質を作っているのだとは考えなかったのです。

彼の直感がその概念を導き、ペニシリンの発見に至ったのでした。

このような新たな概念の発見は、一般的にはなかなか受け入れられにくいものです。
メンデルの法則もペニシリンの発見も、発見した当初は全く注目を浴びず、他の研究者がその重要性に気がつくまで歴史の狭間に埋もれていたのでした。

最近のそのような新たな発見と言えば、ノーベル賞授与が記憶に新しいピロリ菌の発見などもありますが、発想の転換、という意味で「目からウロコ」ものだったのが「Barker仮説」でしょう。

Barker仮説とは、「胎児期に低栄養状態であることが成人期における心血管障害のリスク因子である」とする説です。

心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病などのいわゆる「生活習慣病」が、胎児期の母体の栄養状態によって左右されるという、極めて反常識的(!)なこの概念は、1980年代にはすでに提唱されていましたが、最初は受け入れられにくかったようです。

しかしあまたの研究者がこの仮説を立証する研究データを次々と発表し、今では、
「DevelopmentalOriginsofHealthandDisease(DOHaD)学説」として定着しています。

この概念を発表したBarker博士は「課題発見者」であり、追随してそれを裏付ける研究を行った研究者は「課題解明者」ということになるでしょう。

続きます。

あなたのからだの「足りない」、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

分子栄養療法とはについて、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2007年の記事に追記

2026年時点でも、出生体重と大人になってからの病気の関係は、多くの研究で確かめられています。小さく生まれた場合だけでなく、大きく生まれた場合にもリスクが上がる病気があります。

  • 22件の研究のまとめでは、出生体重が重いほど、成人後の心血管病による死亡が少ない関連でした(ハザード比0.88)。出典:Risnes ほか, Int J Epidemiol 2011/PubMed 21324938・DOI 10.1093/ije/dyq267
  • 135件の研究のまとめでは、出生体重と糖尿病・心血管病の関係はJ字型でした。リスクが最も低いのは、糖尿病で3.5〜4.0kg、心血管病で4.0〜4.5kgでした。出典:Knop ほか, J Am Heart Assoc 2018/PubMed 30486715・DOI 10.1161/JAHA.118.008870

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2007 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2007年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

あわせて読みたい

よく聞かれること

バーカー仮説とは、どんな説ですか?
胎児期の栄養状態が、大人になってからの心臓病や糖尿病のなりやすさに関わるという説です。今はDOHaD(ドーハッド)という考え方に発展しています。
妊娠前から栄養を整えることに意味はありますか?
妊娠前のやせや栄養の偏りは、赤ちゃんの出生体重と関連します。当院では検査で栄養状態を確かめます。妊活の下地づくりをご覧ください。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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