マクドナルド・ケンタッキーFC・ウエンディーズ・モスバーガー・小僧寿し・ミスタードーナツ・ファミレス・牛丼・スターバックス・・・。

外資系を含めた多種多様な日本の外食産業の市場がどのようにして出来上がって行ったか、日本マクドナルドの立ち上げとKFCのマーケティングに携わった著者が書いている。

切り口があくまでも「マーケティング」なので、私が期待したような(業界暴露本みたいな(笑))内容ではなかった。

しかし読んで強く思ったのは、私たちは食べるものを自分で選んでいるように思っているが、実際に食行動を動かしているのは経済であるということ。

経済によって私たちが手に入れられる食べ物は決められる。離れ小島で自給自足しているのでなければ。(あ、これも経済か。)

ファストフードが健康に与える影響についてはまったくと言って良いほど言及がなかったが(それが目的の本ではないのだろうから仕方ないが)、マーケティング担当者とはそういうものなのであろう。

というよりも、1970年代からの外食産業の変革で日本の食が変わり、経済だけでなく身体的にどんな影響が及ぶかということは、当事者は全く予想だにしていなかったことかもしれない。ファストフードで健康が害されるなんて、まったく頭になかっただろう。

選択肢が増えて、いろいろなものを食べられるのはいいことだ。

しかしその反面、日本の食が大きく変わり、便利を追求していった代償に失ったものはあまりにも大きい。

微量栄養素の代わりに大量のカロリーと添加物をGETして、料理する時間や手間と引き換えに家族の団欒を失った(←これは外食産業だけの影響とは言えないけど)。

何を食べようと自由だが、何を食べているのかということは理解して、賢い消費者になることが必要だと思う。

株式会社HYGEIA