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NEWS & BLOG | PMSの患者さまの例(2)

PMSの患者様(つづき)

(2026年10月 最新の研究を追記) HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. この患者さまは和食中心の整った食事をしていましたが、筆者から見るとたんぱく質が足りていませんでした。
  2. 約20年前の出産のあとから、強い体力の衰えを感じるようになったと記録されています。
  3. 筆者は、妊娠を、母体の栄養が胎児に優先して使われる「究極の異化亢進状態」と呼んでいます。
  4. 患者さまは、治療方法の説明を受けた時点で不安が軽くなった、と話していました。

前回のPMSの患者様の話の続きです。

このような患者様のケースをお話しすると、「相当食事が悪かったんじゃないの!?」とお思いの方がいらっしゃるかもしれません。

それが、決してそんなことはないのです。

この患者様にはとてもお料理上手なお母様がいらっしゃり、和食中心のとても素晴らしいお食事を(うらやましいくらいです!)毎日きちんとしていらっしゃったのです。

たとえば・・・

(朝食)
ごはん、味噌汁、納豆、しらす、かつお節、梅干など

(昼食)
休職してからは食べないことが多かった

(夕食)
寿司、煮物(がんもどき・厚揚げ・里芋・人参など)
または
鮎の塩焼き、ちらし寿司、豆腐
または
刺身、もずく、さつま揚げ、トマト、レタス、ごはん
など

量はどうなのかという問題もありますし、私から見ればタン白質が全然足りていないのですが、常識的に考えれば大変きちんとした食事をしていらっしゃると思います。

しかし、一見理想的なこのような食事をなさっていても、栄養欠乏は起こりうる、ということです。

そしてそうなってしまう原因のひとつには、「妊娠・出産」があります。

この方は20年ほど前に出産をしていらっしゃり、その前は体力もあってものすごく元気だったのが、出産をしてから強い体力の衰えを感じたそうです。

胎児を育てる、ということは女性にとって栄養欠乏を来たす大きな原因になります。

母体は胎児に自分の体を犠牲にしてまでも、栄養を与えます。

母の愛、ということもできますが、逆に言えば、胎児は母体の栄養を容赦なく「奪っていく」とも言えます。

ともかく妊娠するということは、自分の体を壊してまで赤ちゃんに栄養を与えてしまう、

「究極の異化亢進状態」

と言えるのです。

この時に、自分の体はもちろん、赤ちゃんの体を作るための栄養素を十分摂っていなければ、母体はどんどん磨り減っていくことになるので、栄養欠乏を来たすこと必至です。
そして何人も子どもを産めば、それが積み重なっていくのです。

また、それでも赤ちゃんに十分な栄養素をあげられるのなら報われるというものですが、赤ちゃんにあげる栄養素も不足していたとしたら、赤ちゃんの発育や健康にも悪影響を及ぼすことになります。

自分の体を維持する分に加え、赤ちゃんを育てるのに必要な量の栄養素をちゃんと摂れていたならば、当然こんなことは起こりません。

しかし、妊婦さんを拝見していると、それができているかというと、できている方はほとんどいません。

自分ひとりの体に必要な栄養素すら摂れていないのに、赤ちゃんの分まで摂るということは実際にはかなり困難です。

そもそも、妊娠しようがしまいが、若い女性の方のほとんどが、栄養のことをあまり気にかけていないように思います。

こういう状態では、妊娠中のトラブル(貧血など)や、産後のうつや体調不良、更年期障害様の症状、体型の崩れ、産後太りなどを引き起こします。

これらのトラブルは、「妊娠出産する以上、仕方ない」というような風潮がありますが、栄養素を消費する以上に摂ってさえいれば、「決して起こらない」のです。

残念ながら、妊娠・出産を含めいろいろな理由で、一度栄養欠乏に陥ってしまったら、食事でそれを改善しようと思ってもかなり困難です。

だから、栄養療法が必要になるのです。

悲しいことに、一般の医療関係者には「栄養欠乏」の概念がありませんので、その方の症状がもしうつ症状なら抗うつ剤、不眠であれば睡眠薬、痛みであれば鎮痛剤と、対症療法をするしかありません。

それで症状が良くなるならラッキーですが、それでは決して根本的な解決にはならないのです。

そしてもうひとつ、この患者様はとても嬉しいことをおっしゃってくださいました。

患者様が当院に受診なさって、当院の治療方法・栄養療法等について説明を受けた時点で不安が軽くなった、とのことでした。

おそらくそれまでは「何をしても良くならない」という不安や焦りなどがあり、そのような精神的なストレスは症状に拍車を掛けていたことでしょう。

しかし、栄養療法と言う治療法があり、それで良くなる可能性がある、と思っただけで、精神的に楽になり、症状が軽減したと言うことが考えられます。

それだけで治ったわけではもちろんありませんが、私たちは強い自信を持って栄養療法を行っています。

もちろん、100%良くなります!と言うことはできませんし、当院にいらっしゃるような患者様は難治症例の場合が多いので、困難なことが多いことも確かです。

しかし、現代医学でいかんともしがたい病態が栄養療法でよくなることはとても多いのです。

「治療者の自信」というのは患者様にとってもプラスに働きます。

治療する側が、「この治療で本当にいいのだろうか?」「本当に患者様が良くなってくれるのだろうか?」と、自信のない状態では、患者様も不安になります。

このような症例を沢山診せていただいているから、私たちも、頑張って栄養療法をしていただけば良くなりますよ…!!と、自信を持って患者様を勇気づけることができるのです。

この症例の治療について(2026年10月 追記)

治療の内容
血液検査の結果にもとづく、たんぱく質を含めた総合的な栄養療法(前回の記事と同じ患者さま)(記事の記載)
治療の期間
約3か月で2回目の血液検査
費用(自由診療)
検査 16,500円、約3か月ごとの再検査 11,000〜16,500円と診察料 5,500円(いずれも税込・2026年の料金)。治療用サプリメントは処方の内容で変わります。記事の当時の費用とは異なります。治療中の費用は、最初の3か月で月5〜10万円が目安です。
主なリスク・副作用
まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。服用中の薬がある方は、医師にお伝えください。
標準的な治療との関係
PMSの標準的な治療は、低用量ピル・抗うつ薬(SSRI)・漢方薬などです。当院の分子栄養療法は、その代わりではなく、並行して行うものです。
結果について
この記事は一人の患者さまの記録です。同じ治療で同じ結果が出るとは限りません。

毎月のつらさ、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

PMS(月経前症候群)について、くわしく見る

最新の研究でわかっていること(2026年10月 追記)

2006年の記事に追記

妊娠中や産後の貧血・鉄不足は、気分の落ち込みや疲れと関連します。ただ、産後の不調には栄養以外の要因も多く、栄養だけで防げるとは言えません。

PubMed の抄録で、数字と結論を確かめた論文だけを載せています(PMID・DOI つき)。上の本文は 2006 年に書かれたままです。

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

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よく聞かれること

産後の疲れや落ち込みは、栄養と関係がありますか?
産後の貧血や鉄不足は、疲れや気分の落ち込みと関連します。ただ、睡眠不足や環境など多くの要因があります。つらいときは産婦人科や心療内科に相談してください。
妊娠前から準備できることはありますか?
妊娠前に貧血や貯蔵鉄(フェリチン)を調べておくと、不足に早く気づけます。妊活の下地づくり
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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