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NEWS & BLOG | 低血糖症の連載(5)

低血糖症の恐怖 5 ~攻撃ホルモン~

 HYGEIA通信

この記事でわかること

  1. 低血糖になると血糖を上げるために「攻撃ホルモン」(アドレナリン・ノルアドレナリン)が出て、イライラ・キレやすさ・不安・動悸が起こります。
  2. 低血糖症の症状は「キレやすい」「うつ」「過食症」「パニック障害」の4つの型に分けられ、重なることが多いです。
  3. どの型でも疲れやすさ・肩こり・冷え・不眠を伴い、その背景には栄養欠乏があります。

低血糖症の続きです。

(初めての方は低血糖症の恐怖1からお読みください)

・ イライラして、キレやすい
・ ちょっとしたことにカッとなる
・ 自分を抑えられない
・ 暴れる、攻撃的になる
・ 落ち着きがない

・ 何をしても楽しくない
・ 憂うつだ
・ 気分が優れない
・ 自分はだめな人間だ
・ 死んでしまいたい

・ お腹が空いて仕方がない
・ いつも食べ物のことばかり考えている
・ いつも甘いものが食べたい
・ 食べ始めるととまらない
・ 過食が抑えられないが太りたくないので吐いてしまう

・ 不安になりやすい
・ 人ごみや満員電車に乗ると胸がドキドキして苦しくなってしまう
・ 何も理由がないのに突然胸が苦しくなったり痛くなったりする
・ 何も理由がないのに突然悲しくなり泣いてしまうことがある
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・ 疲れやすい
・ 肩がこりやすい
・ 手足が冷えやすい
・ 不眠傾向がある

これらは全て、低血糖症によって起こりやすい症状です。

低血糖症がこれらの「主要な」原因でない場合でも、低血糖症がこれらの症状を修飾するのに関与している場合が多くあります。

低血糖症では何故このような症状を起こすのでしょうか?

前々回に書いたように、血糖値をコントロールしているホルモンは、シーソーのようにバランスを保ちながら血糖値の微調整を行っています。

血糖値が上がるのもよくないのですが、血糖値が下がってしまうことは人体にとってさらに危険な状況なので、血糖値を上げるホルモンは数多くあります。

<血糖値を上げるホルモン>

成長ホルモン
甲状腺ホルモン
グルカゴン
副腎皮質ホルモン(コルチゾール)
副腎髄質ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)

低血糖症では、下がった血糖値を上げようとしてこれらのホルモンが多く分泌されることになります。

この中で特に低血糖症の症状を起こす主役的な働きをするのが、アドレナリンおよびノルアドレナリンと言うホルモンです。

これらは「攻撃ホルモン」と呼ばれるホルモンです。
通常これらは、生命の危機など、非常に強いストレスにさらされた時に多く分泌されます。

ストレス(精神的・身体的侵襲)にさらされた時、体はこれらのホルモンを分泌してその危機に対応しようとします。

例えば野生動物がライオンににらまれた瞬間、危険を察知して全身の筋肉は緊張し、瞳孔は開き、血管が収縮して心拍数と血圧が上昇します。
言うなればその瞬間「戦闘モード」に入り、全神経を集中してダッシュして逃げるわけです。

低血糖症では、これらの攻撃ホルモンが本人の意思と関係なく突然大量に分泌されたり、または頻繁に分泌されてしまう、と言うことが起こっています。

言うなれば「常に戦闘モードに入っている状態」なわけです。

そう考えると、なぜ低血糖症の方たちがイライラしたり、怒りっぽかったり、キレたりする理由が理解できます。

また、アドレナリンは攻撃性を高めますがノルアドレナリンはその逆で、不安な気持ちやネガティブな感情を惹起してしまいます。

なので、必ずしも攻撃的になるというわけではなく、うつや不安、動悸などのパニック障害、突然の感情の変化などの症状となって現れる場合もあります。

低血糖症の患者様は、冒頭の症状のように、大きく4つのパターンに分けることができます。

「キレやすいタイプ」
「うつタイプ」
「過食症タイプ」
「パニック障害タイプ」

です。(他にもあるかもしれません)

これらのパターンは重なっていることが多く、そしてほとんどの方はどのパターンであるかに関係なく、

・ 疲れやすい
・ 肩がこりやすい
・ 手足が冷えやすい
・ 不眠傾向がある

などの様々な症状を伴っているのです。

これはホルモンが異常な分泌をされることにより、自律神経失調状態になっているためです。

そして断言しますが、このような状態では間違いなく“栄養欠乏”が存在します。

種々の栄養素の欠乏により自律神経失調症状はさらに悪化し、具合が悪いために食事をきちんと摂るという努力がことさら難しくなるため、さらに低血糖と栄養欠乏が進みます。

そしてさらに症状が悪化する、という悪循環です。

この悪循環から抜け出すことは、実際とても難しい。

ということは、想像するに難くないでしょう。

続きます。

食後の眠気やイライラ、検査で確かめてみませんか

血液・尿検査(60項目以上)で栄養状態を確かめ、不足を補う外来です。初日のカウンセリングは無料です。

低血糖症について、くわしく見る

当院でできること

検査と治療
60項目以上の血液・尿検査で、貯蔵鉄・たんぱく質・ビタミン・亜鉛・血糖の動きを確かめ、不足している栄養素(治療用サプリメント)と食事の見直しで体の側を整えます。約3か月ごとに再検査します。
費用(自由診療・税込)
初日の検査 16,500円/再検査 11,000〜16,500円/診察料 5,500円。治療中の月あたりの費用は処方で変わります(最初の3か月は月5〜10万円が目安)。くわしくは 治療費用。
治療を検討する前に知っておいていただきたいこと
自由診療で、保険診療の代わりになる治療ではありません。分子栄養療法は、すべての方に同じ結果が出る治療ではなく、記事の中の例は個別の経過で、同じ結果を約束するものではありません。治療用サプリメントで起こりうること:まれに、IgG 食物アレルギー反応(食べ物に対する遅れて出る反応)が出ることがあります。

執筆・監修:矢崎 智子 医師(2006年の本文)|杏林大学医学部卒業の産婦人科医。2005年にハイジーア外来を開設し、院長として分子整合栄養医学と東洋医学による診療を行った
2026年10月の追記(最新の研究)の監修:秦 俊昭 医師(日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・ハイジーア外来 担当)

研究でわかっていること

  • 食後症候群(反応性低血糖)は、食後の空腹感・脱力・不安を特徴とします。日本の14人の糖負荷試験では、インスリンが180分まで高いまま続き、グルカゴンが強く抑えられていました。(Kosuda ほか, J Nippon Med Sch 2022)
  • 若い受刑者231人の二重盲検試験で、ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸を補った群は、偽薬の群より規律違反が平均26.3%少なくなりました。(Gesch ほか, Br J Psychiatry 2002)

PubMed に収載された論文の抄録から、数字と結論だけを載せています。

当院の実例(医師の記録・個人差があります)

20代後半の女性。16〜24歳ごろまで過食と嘔吐を繰り返していました。初診時の検査で、強い鉄欠乏貧血・たんぱく質やビタミンB群・亜鉛の不足・低血糖症の疑いが見つかり、約8か月で自覚症状の多くが改善して、過食は基本的になくなりました(月経前だけ甘いものが欲しくなる)。くわしくは 低血糖症が疑われた摂食障害の患者様。

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よく聞かれること

「低血糖症」は病院で診断されますか
一般の外来では血糖値を1回測るだけのことが多く、血糖の動きまでは見ません。
糖尿病で治療中でも相談できますか
できます。主治医の治療を中断するものではありません。先に主治医にご相談ください。
費用はどのくらいかかりますか
自由診療です。初日の検査 16,500円(税込)。治療中の費用は処方の内容で変わります。治療費用 をご覧ください。

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