昨日のカウンセリングではとても嬉しいことがありました。

挙児希望で栄養療法を開始され、3ヵ月後の2回目の採血にいらした患者様が、妊娠なさっていたのです!!

妊娠5週で、基礎体温も高く、他院での超音波にて胎嚢(赤ちゃんの部屋)も確認できたと…。

スタッフ中大喜びで、とてもハッピーな気持ちにさせていただきました。

患者様は30代後半の方で、結婚後しばらく避妊をなさっていましたが、避妊をやめて1年たっても妊娠なさらず、生理不順、基礎体温の低音と高温の差がはっきりしない、冷え性、情緒不安定・・・などの症状がありました。

婦人科でクロミッド+タイミング療法を受けていましたが半年たっても妊娠せず、主治医の先生から人工授精をしましょうか…、と言われたという段階で、当院にいらっしゃったのです。

血液検査のデータは、まず貧血

そして極度の鉄欠乏で、鉄の貯金がほぼゼロと言っていい状態でした。

と言っても、通常の貧血の指標になるヘモグロビン値は11台で基準値内なので、普通は貧血とは指摘されません。

しかし、貯蔵鉄を見る項目(普通の病院では保険適応ではないのでチェックしません)を調べたところ、重度の鉄欠乏があったことが発覚したわけです。

本来はヘモグロビンは「基準値内に入っていればOK」なのではなく、特殊な事情(子宮筋腫による月経過多など)がなければ、女性であっても13は必要です。

貧血であるということは、確実にタン白質や鉄、ビタミンB群など「血液を作る材料が足りない」、すなわち「栄養失調」であることを意味します。

そのような状態では、当然冷え性などの循環不良を引き起こしますし、生殖機能にも影響を及ぼします。

良質な卵子や子宮内膜をつくるためにも、血液と同じように材料が必要な訳で、そのような環境が悪ければ当然不妊の原因となり得ます。

特に鉄はコラーゲンを作るために必要であり、不妊症の方の多くは鉄欠乏です(子宮の内膜は粘膜(=コラーゲン)ですから!)。

鉄だけでなく、タン白質・ビタミンA・B・C・亜鉛…、すべての栄養素が、妊娠の成立には必要です。

特に不妊や流産、胎児奇形などとの関連性が指摘されているのは、葉酸・ビタミンA・亜鉛・鉄あたりです。
(註:貧血がなければこれらの栄養素が充分ある、というわけではありません。詳細な解析が必要です)

この方は他に大きな原因がなかったので、栄養療法でこれらの悪条件が改善したことにより、人工授精も行わず自然に妊娠されたのだと考えられます。

2回目の血液データでは貧血の改善、貯蔵鉄の上昇など素晴らしい改善を認めましたが、まだ不足の状態でした。

妊娠中こそ、健やかな胎児の発育のために栄養素が必要なので、栄養療法の継続をおすすめしました。

無理せず、赤ちゃんが元気で育ちますように…

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